2008/04/04

モーモータクシー

函館を訪問したとき、元町から函館駅に向かう際、路面電車に乗ってぼーっと外を見ていたときに、目を引いたものがあった。奇抜なデザインの建物であり、そのデザインが、どうみてもホルスタイン。最初は、今は無きPCメーカーのGatewayが函館にアンテナショップでも始めたかな?とでも思ったが、そうじゃない。実はタクシー会社だった。

その名も「モーモータクシー(moomoo-taxi)」

路面電車に乗っていたときに、前に座っていた小さい子供を連れていた親子連れが、「ほら、もうすぐモーモータクシーのところを通るよ」とお母さんが言っていたので、なんじゃそれ?と思ったところに、この建物が目に入った。函館の子だろうと思う、その小さい子も当然知っている事実のようで「見る見る~」と靴を脱いで、小さい子供がだれでもするように窓に張り付いて外を眺めていたのが印象的だった。

タクシーというからには、普通に流しでもなんでも街中を走っているのかな?とおもったら、これが結構多く走っている。あの牛柄で走っているから、妙に目立つのだ。他のタクシー会社は、単純な黄色とかオレンジとか白とかなので、この手のデザインで街を走っていたら、乗る必要があるなしに関係なく、目が釘付けになってしまうのは当然だろうし、子供連れだったら、ポケモンジェットが流行ったように、乗れば普通のタクシーだとわかるんだけど、「モーモータクシーに乗った」ことを自慢したい子が出るのは当然で、乗るなら牛柄のタクシーを選んで乗りたいとおもうだろう。観光名所に止められているタクシーではそんなに多くは無いのだが、待ちキューになっているタクシーが並んでいたら、自分の番のときにはモーモータクシーが来て欲しいと、ちょっと密かに思ってしまうから不思議だ。

そのモーモータクシーだが、もちろん普通のタクシーでもあるが、観光用で使われるタクシーとしてのほうが需要があるようだ。モーモータクシーのウェブサイトを見ていたら、

牛の着ぐるみでお出迎え・観光案内します

なんていう広告を見つけた。なんじゃ、それ?!街中ではそんな着ぐるみを着ていたタクシードライバーは残念ながら見つけられなかったが、こりゃ、この企画、子供連れだとディズニーランドで、ミッキーの耳や手をはめまくって、非日常を楽しんでいるのと同じように楽しめる企画だと思った。東京でも同じようにやったら大ウケだろうなー。それも外国人向けに。あっ、それなら外人向けなら、オタク趣味で日本に来ているやつらも結構多いので、コスプレタクシーなんていうのを作ったら楽しいかもしれない。

有限会社 北海道・函館moomoo-TAXI
http://ogawa-taxi.cbiz.co.jp/
住所 : 北海道函館市豊川町22-19
TEL : 0138-22-5566

2008/04/03

レトロ喫茶(函館)

函館には洋館のほかにも、レトロな喫茶店も結構あって、それが良い雰囲気を出している。

まずはホテルの傍にあったのが「茶房ひし伊」だ。ここの喫茶店は、明治38年に造られた土蔵を利用しており、近くにかつて住んでいた石川啄木の妻も、質に出しにここにはきていたようである。内装は1階は木肌を基調とした温かみのある洋風のテーブル席が並んでいる。2階も実はあるようで、このときには入れなかったのだが、畳敷きの和風つくりになっている。メニュはこれといって特別なものはないのだが、なんといっても店の雰囲気が良い。神保町の「さぼおる」のような雰囲気がある。ここでは、単純にコーヒーを頼んでみた。店はバイトらしきお姉さんが仕切っていた。

別の日に行った所は、山の手にある「茶房・菊泉」だ。なんだか田舎の家にきたのかなという雰囲気を醸し出している店である。大正10年に「菊泉」という名前の酒問屋を改装して作れている。店内には、問屋時代の当時の品物がたくさん飾られている。椅子の席もあるが、畳座敷のほうが席が多い。だから、あぐらを掻くのが苦手な人にとっては嫌なところだろう。ここでは、絶対に食べて欲しいものがある。水を使わず豆腐だけで練ったしろ多摩を使った、とうふ白玉ぜんざいを食べて欲しい。

茶房ひし伊
住所 : 函館市宝来町9-4
電話 : 0138-27-3300
営業時間 : 10:00~21:30

茶房・菊泉
住所 : 函館市元町14-5
電話 : 0138-22-0306
営業時間 : 10:00~17:00

2008/03/31

函館の夜景

函館は本当に坂道の多い町である。しかし、その坂道が良い味を出していると気付くのは、昼間にも思うが、どちらかというと夜のほうが一層思うだろうと思う。真っ直ぐに伸びた坂道が海にそのまま向かっており、このまま転がっていったら海に入っちゃうんじゃないか?と勘違いをさせてくれる風景なのだから。それもその坂道が、高いところになればなるほど急になってくるので、まるでスキーのジャンプ選手にでもなったような感覚だ。しかし、これらの坂道は、雪が降ったときに、車はちゃんと登ることができるのだろうか?
函館の町の夜はとても静かだ。昼間だとたくさんの車が走っているところも、夜になるとその喧噪がまったくなくなり、道路の真ん中に立っても全く平気である。道路の真ん中に路面電車の線路があり、その両側に車のとおりがあり、そして歩道があり、建物があるというのは、あたりまえの光景かもしれないが、夜になると幻想的な景色に思えてくる。特に東京では見ることができない路面電車の線路が良いアクセントになっている。
開国後の函館には西洋風の建物がたくさん建っている。東京の三越本店や日本銀行でもわかるように、明治時代に作られた建物はどれも荘厳で重厚な感じがする建物が多い。ここ函館も同じで、現代の薄っぺらで味気の無い建物とは全然異なる。いま同じような建物を作ろうとすると、その石材の費用が馬鹿にならないと思うのでなかなか実現することが出来ないだろう。だから、なおさら、近代に入って作られたこれらの史跡的価値のある建物は残しておいて欲しいものである。

教会の多い函館は、西洋人が多く住んでいたこともあり、またキリスト教の布教が開国後も盛んになってきたこともあり、山の手地区にはライトアップされた教会も多く存在する。昼間にいくよりもこれらの教会は夜に行くほうが絶対良い。どうせ、中に入れないで外からみるだけなら、デコレートされた夜のライトアップが一段とロマンチックにさせてくれる。

函館の迎賓館であった旧公会堂もライトアップすると、昼間と違って怪しさを醸し出してくるから不思議だ。昼間だと建物が下品な金色と水色のカラーリングが目立って仕方ないのだが、夜になるとその色のトーンが抑えられるので、いかにも西洋館という雰囲気がでてくる。

2008/03/30

北方民族資料館(函館)

アイヌの文化というのは、同じ日本人なのに全然知らないし、身近にない何か異国のもののように感じる。しかしアイヌ民族も、日本人を構成する一民族であることは間違いない。ただ、日本人の場合、大和民族以外の日本人であることは何故か隠したがる気質があるし、その少数民族のアイデンティティを捨てようとする傾向がある。しかし、出生については隠しても隠し切れないものだし、1つの文化を大切に後世につないでいくということはとても大切なことだと思う。

そう言った意味では、アイヌの文化というのも同じで、既に大和民族と同化してしまい、自分の出所がアイヌだとすっかり忘れてしまっている人たちが多くなってしまった現代においては、アイヌという1つの文化を知るすべというのが、ほとんどなくなってしまっているのが現状だ。生きているアイヌに会うことが出来なくなっているのである。それでも昔はもっとたくさん居たと思うが、アイヌであることを恥ずかしいとおもうアイヌの人たちが多くなったために、アイヌを忘れられつつある。

文化を継承するという現代人の最大の使命を帯びているのが、この「北方民族資料館」だ。ここではアイヌだけではなく、アイヌの仲間である他の消えつつある、または消えてしまった北方民族についてを詳しく解説したり、その文化遺産を見ることができる、日本でも数少ない施設だと思う。アイヌ文化についての文献は本当に書籍でも少ないし触れることも本当に少ない。だから知ることができるこの施設に来たのは本当に勉強になった。

中には服装、生活必需品を初めとする物品の展示から、生活基盤や1年の生活をどのように暮らしていたのかということや、生活圏はどの辺りだったのかという解説なども丁寧に述べている。展示としてはかなり広いのであるが、なにせ訪れる人がほとんど居ない。興味が無い人が多いからなのかもしれない。そのとおりだろう。基本的に日本人は歴史・現代社会などを通してアイヌ民族のことは全然習うことが無いからである。むしろ、日本は単一民族国家だと習ってきたから、アイヌの存在自体が無に等しいのである。

ここでは「アイヌを知ろう」という努力を感じることができるのだが、アイヌに関する文献や書籍というのを全くここでは得ることができない。記念に何か買って帰りたいなと思っても、それを売っている場所もないし、売る気も無いらしい。せっかくこのような立派な施設があるのにも関わらず、また訪問をして欲しいと思われるようなものを訪問客に対して提示しないというのは商売ッ気がないというか、つまらないものだと思う。どうして書籍類とかの販売をしないのだろうか?どうせ市の職員がやっているだけだろうから、発展的なことをしたいという気が無いのだろう。あんな態度であればアイヌのことを知って欲しいという気持ちは観光客には届かないだろう。

アイヌのことについてとても詳しく知っている人は、いろいろ教えて欲しい。

函館市北方民族資料館
http://www.zaidan-hakodate.com/hoppominzoku/min.htm
〒040-0053 函館市末広町 21-7
TEL 0138-22-4128
FAX 0138-22-8874

ヴィクトリアン・ローズ(函館)


旧英国領事館のある場所はとても立地条件が良い。そこにある英国領事館はとても気品のある建物だと本当に思える。英国であるというのは、それこそ優雅に過ごすことにかけては努力を惜しまない。そんな文化の名残というのが喫茶というものだろう。ここでは旧英国領事のひとたちが昼間にハイティーを楽しんだというのを体験して貰おうという一貫で、ここではその設備がある。
領事館の中にある「ヴィクトリアン・ローズ」では、アフタヌーンティーを注文することをお勧めする。どこにでもあるようなハイティーのコースである。ここで提供される紅茶はミックスなので、何をベースに何で割っているのか全然分からない。まぁ、そんな門だろう。茶請けとして出される食べものは、いかにもイギリス風という感じだ。また店の雰囲気も女性が好みそうな内装になっているので、きっと函館のカップルにとっては絶好のデートコースになっているのだろうなというのが想像できる。自分も函館に住んでいるのであれば、毎回ここに来ていることだろう。このアフタヌーンティーのコースは1050円なので、かなり手ごろ。

もちろん、ここでは単品の紅茶も頼めるし、他にもちょっとお腹に入れるような料理はあったりするが、なんだか雰囲気に合わない。紅茶だけ飲みに、観光地巡りをしたあとの休憩として立ち寄ることもいいだろう。

Victorian Rose (ヴィクトリアンローズ)
http://www.hakodate-kankou.com/british/british_02.html
旧英国領事館内
函館市元町33-14 
TEL/0138-27-8159

谷地頭温泉(函館)

路面電車の最終駅「谷地頭温泉」に降りてみると、なんだか街の風景が穏やかな感じがする。元町辺りの喧噪とは異なり、いかにも地元町という雰囲気が出てくるから不思議だ。そして観光客もさすがにこの辺りまで来る人は居ないようで、電車を降りるときに、まさしく地元の人のような行動で歩いてしまった自分がいた。

今回の目的地は、駅名にもなっている谷地頭温泉に行って見ることである。もちろん、ここから石川啄木が住んでいた家などにも行けることはいけるが、とてもじゃないが歩いていけるほどの距離ではない。温泉のところまでが駅から歩いていける範囲の最遠のところだろうと判断してのことだ。しかし、元町みたいないろいろ見る場所があるわけでもないので、このあたりの詳細の地図はガイドには載っていない。あとでホテルでゲットした観光地図を持っていれば全然気にしなかったと思うのだが、このときには自分が持ってきたガイドしか持っていなかったので、当てずっぽうで温泉のところまで行ってみた。

駅は函館八幡宮がある大きな通りと十字路になっている場所にあり、そこから少し山側に歩いていくと目的地の温泉があるものかとおもった。近くまで行けば、車でくる客用の看板でもあるものかという安直な考えもあった。そうすると案ずることなかれ、近くまでいくと、車の流れがあって、それらしい施設の建物を発見した。最初はどこかのスポーツクラブか、またはDIYショップかとおもっていたら、これが公営の温泉施設だった。
市で運営している谷地頭温泉は、地元ではほとんど銭湯のように使われているところである。この日も昼間の3時頃だったのにもかかわらず、結構な人が来ていた。だいたいが老人ばかりだったのだが、それでも親子連れの家族も来ていたし、若い人もちらほらと来ていたのが見えた。入り口は、どこかの学校のゲタ箱みたいな靴のロッカーがあり、それは無料。入湯料は入り口のところにある自動販売機で購入する。1人390円。番台のようなカウンターでそのチケットを渡して2階にいけばお風呂場だ。このとき、タオルを持っていなかったので150円払ってタオルを購入。

お風呂はというと、これが結構大きな湯船で、低温風呂(42度)と高温風呂(45度)、そして泡風呂が内風呂として存在していた。もちろん、こんなところでも一応「温泉」と謳っているので、露天風呂もあるからすごい。洗い場だけみると、本当に銭湯のような感じだし、気の効いたホテルのお風呂場と違い、シャンプーやリンス類は一切置いていないので、それはあらかじめ持参したものを使うことになっている。ここに来ている人たちはそのことを十分承知のために、各々が持ってきたシャンプーセットを使って洗っていた。そんなことも知らない観光客としてきた自分は、単に汗を流すためにきているので、よしとする。それにしても、ここの湯は鉄分が多いようで、湯の色が赤い。

お風呂から上がったら、畳のある大きな部屋で湯冷ましをするひともいるし、ちょっと休憩と称してゴロンとしているひともいるし、テレビを見ているひともいる。函館にもこのような良い温泉があるとは知らなかったので、湯の川なんかに泊まらなくてもこれで十分だろう。

市営谷地頭温泉 http://www.city.hakodate.hokkaido.jp/suidou/info/institution/spa.htm
営業時間 6:00am - 21:30
所在地 函館市谷地頭町20番7号
TEL(0138)22-8371