2010/12/30

Fanta いちご味

スーパーに行ったら激安で、それも大量に売られていたのが目に付いた。ピンクのパッケージがちょっと可愛らしく見える「ファンタ スノースカッシュ いちご味」である。

見た目のパッケージと、名前から考えると、いちご味なのですごい甘いものかと思っていた。ところが、この甘さというのが、いちご本来の甘さというのではなく、はっきり言って味が期待はずれだった。期待はずれというより、不味い!ま・ず・い。

好きな味の人はきっと居ると思うのだが、サクマ製菓の「いちごみるく」を食べことがある人は多いだろう。あの味をそのまま100%飲み物にしてしまいましたというような味なのである。キャンディのいちごみるくの、あのいちごの味は本来のいちごの味ではなく、子供がシロップでも飲むような味付けになっているので、実はキャンディーとしては食べられても、飲み物としては飲むには少し耐えられない味だ。おまけに、ミルク味も追加されている。飲み物の名前に「スノースカッシュ」と書いているのが、意味が分からないと思っていたが、このスノースカッシュというのは、単なるミルク味に炭酸水を混ぜたものを、さもイメージでボカしているだけのこと。

一口飲んでさすがにこれは絶対売れないと思うということと、二度と売ってはいけない飲み物だろうというのは感じた。まだ、炭酸にしてくれただけ、少し口に入れても吐き出さないが、これが果汁20パーセントくらいの、中途半端ジュースだったら、絶対吐き出していたと思う。

庭のホテル(水道橋)

東京に住んでいるのに東京のホテルに泊まってみよう企画を勝手に行っているのだが、今回は水道橋近郊に泊まってみることにした。水道橋に泊まると、大好き神保町が傍にあるので、楽しいことだろうと思う。そのホテルは「庭のホテル・東京」だ。舐めた名前である。


名前にも使っているくらいだから、さぞ、その庭というものが立派なホテルだと想像するではないか。しかし、ここは都心の真ん中・水道橋であり、たくさんの雑居ビルが存在する場所なのである。そんなところに庭なんてとおもっていたのだが、やっぱり敷地面積には勝てなかったのか、想像するような庭ではなく、ちょっとシャレた入口という程度のものを庭と呼んでいただけであったのには、がっくりだった。

それならホテルの施設や部屋のほうに期待してみようと思う。

ロビーは洗練されたというよりも、デザイナーズホテルのロビーの感じがし、天井がすごく高い作りになっていた。応対している従業員の人の態度もまぁまぁ素晴らしい。
低層階のほうに案内されてみたので部屋に入ってみた。ロビーの感じからすると、ここはデザイナーホテルなのかと思って期待する。確かにビジネスホテルに比べると洗練されているようには見える。でも、部屋全体はそんなに広いわけじゃない。必要最低限のものは全部揃っている。ネットも自由に使えた。無線LANは標準で完備されているので、部屋の中では自由にネットが使える。もう少し部屋の大きさが広かったらいいのになとおもうのだが、ビジネスホテルにちょっと毛が生えたようなものだと考えれば、全然問題なし。

お風呂だけはやっぱり洗練しようが無くて、ビジネスホテルと同じようにそんなに広くなく、プラスティック表面の浴槽のシャワー付きである。足を全部伸ばすほどの大きさではなく少し寝そべって入る海外仕様のタイプであるのだが、これでも十分な浴槽だと思う。良いと思ったのが、洗面台が少し広く作られているところだ。それと備え付けられているシャンプー類については、ビンのデザインは良いと思うが、中身はたいしたことが無いので使わないほうが良い。ホテル内のレストランは使うつもりが最初から全く無かったので行っていないのだが、ちらっと外から見たところでは、内装はとても綺麗なようである。しかし、ここは神保町に近いところであるため、ホテルでわざわざご飯を食べるなんていうことはしなくても、回りにたくさんうまい食べ物屋があるので、そちらに行くのが良い選択だろうと思う。

今回は東京に泊まろうといっても、ビジネスホテル並みの値段しか出すつもりが無かったので、1人あたり6500円程度。やっぱり東京のホテルはもう少し金を出さないとダメな用である。地方に住んでいて東京に出張で泊まるホテルとしては最適だと思うが、遊びのためのホテルとして泊まるには少し物足らないという気がした。

庭のホテル
URL : http://www.hotelniwa.jp/
住所:千代田区三崎町1-1-16
Tel:03-3293-0028
Fax:03-3295-3328

けぬき寿司

神保町には良い店がたくさんあるが、神保町界隈が勤務先だったときに、気になっていたのに結局行かなかった店が結構実はある。創業元禄15年(西暦1702年)の老舗中の老舗である「笹巻きけぬきすし」もまさしくその1軒。小川町交差点で淡路町方面から神保町方面に向いて信号待ちをしていたら絶対気になる店である。

店構えが、その場所だけ、どうも江戸時代にまま時間が止まっているのがよくわかるたたずまいである。なぜなら周りがコンクリートジャングルの定番のような建物が建っているのに、該当する店だけが、入口に木が鬱蒼としていて、一元屋は来るな!と無言で言っているような圧力を感じる。そして、玄関の外にあるショーケースには、寿司の値段が掲示されているのだが、これが持ち帰りの寿司折としては、ちょっと高いんじゃないの?というような値段であるから、なおさら、この店に入ることはちょっと躊躇ってしまうのである。
そんな店にモノは試しにと、ほとんどお化け屋敷にでも入るような感覚で実際に入店してみた。

ここの寿司は、すべてのネタが酢漬けになっているため、醤油につけて食べる必要は全く無い。そのまま食べられるのである。それも酢漬けになっている酢が最初は強めのものを使っていてつけており、そのあと弱い酢を使ってさらに〆ている形式をとっているため、実は鼻がつーんとなるような酸味は全く感じられない。そして、種類は数によって決まっているだけで、なんのネタを使っているかは、もうお任せ状態である。決して複数個の寿司を頼んだとしても、1つたりとも同じネタを使わないで、1つの箱に入れてくれるところがすばらしい。さすがに50個くらいの寿司を頼んだ場合には、どれかのネタはかぶっている事あろう。

このときは12個入りの寿司を注文。寿司は当然だが、注文してから作り上げる。なので、15分くらいは待たされることは覚悟しないとだめである。でも、その待っている間がわくわくするのである。厨房を見ているのも楽しいと思うのだが、ここは職人の気を散らさせないようにおとなしく待っているのが一番いいだろう。店を紹介したような本がたくさん陳列されているので、それを読んで待っているのも良しだとおもう。
寿司は木箱に納められており、それを持って帰るのだが、これがお土産やちょっとしたプレゼントとして渡すのにはとても重宝されているのが、箱から見ても良くわかると思った。よく芸能人がロケ弁当に使っていたりするという話を聞いたことがあるが、それに使われるのもよくわかる。しかし、芸能人は贅沢なものを食べているなと思う。実際に食べてみると、1つ1つは熊笹に包まれているために、他の寿司とくっつくことは無い。そして、熊笹は臭みを取る役割にもなっているためか、包まれた酢漬けの握り寿司は、あんまり酢が臭いというようなものではない。そして使われている寿司ネタは、鯛だったり鯖だったりと、切り身になっているので実は詳細はよくわからなかったりするのだが、全種類異なったネタだった。どれもこれも、パクパクと食べてしまって、本当ならもっと味わって食べなければならないというようなことをしなければならなかったのだが、どうしても食欲には適わなかった。
個人的にはここの寿司の味は好きだが、なんでも醤油をつけないと食べた気がしないような人にとっては、きっと嫌な寿司なんだと思う。調理人が自信を持っているからこそ、このような味が出来るというものだと思うし、食べる前からなんでも調味料をかけるような人は食べなくても良いというくらい、食べ物が食べる人を選ぶような寿司だなという気がした。また、絶対どこかに行くときには、ここの寿司の弁当を買って行きたいと思う。

笹巻けぬきすし総本店
住所:東京都千代田区神田小川町2-12
TEL : 03-3291-2570
定休日:日曜・祝日
営業時間:9:00-18:30

2010/12/28

インセプション

羽田から台北に向かう便の中もう1本の映画「インセプション」を観た。この映画、人の脳みその中身を盗み取ってしまおうという基軸で、その脳みそ中で考えている内容を盗まれないようにしようとする対抗基軸と、ちょっとアレな世界で対決するというものだ。盗人のほうのボスがディカプリオで、盗まれまいとしているのが渡辺謙である。

もうすっかりハリウッド映画の中で、日本人を演じる上でボス役をする際の役割として渡辺謙は外せないものになったことは、それだけ世界が渡辺謙の演技と、演じることへの美学を吸収し認めていることだから、たくさんの映画に起用されているのだろうと思う。

映画の内容は、アレの世界の中で繰り広げられる話なので、ちょっと正常な目線で見ると意味が分からなくなる。実際の世界で武器を使って、殺し合いをするということではない。あくまでも精神世界のなかで、ターゲットとなる物体を盗もうとするものと、盗まれないようにするという戦いなのである。その戦いが、作り出された精神世界の舞台によって、どうすることが「盗む」ことに該当するのかというのは、舞台によって異なる。盗もうとする人は、できるだけ自分が作った土壌へ盗まれる人を盛ってこようとすれば、自分の作った世界なのでいかようにもコントロールできるだろうということだ。しかし、盗まれないようにする側もその防衛として、作られた世界をぶっ壊して、世界を作った人間の制御できないような防戦をする。

あくまでも精神世界の戦いなので、戦っている間に、実世界では一種の催眠状態になっていて、正常人間から見ると、催眠状態になっている人たち同士は、単に眠っているだけにしかない。映画の中でもたまにその場面が出てくる。そして、正常世界でのちょっとした出来事がトリガーになって、精神世界でも考えられないような展開に話が膨らむというようなこともできる。

その精神世界に入るこむ方法というのは、これまた奇抜である。催眠術が「あなたは眠くなーる」と眠りに落とすのではない。極限の死に近い状態に肉体を近づけさせることで行うのである。映画の中では、橋から車を突き落とし、その中で催眠状態になり、いろいろな精神世界にいきわたるのである。だから、はっきりいって、見たあとの感想としては、なんじゃこりゃ?とおもったのは確かである。

現実逃避をすることを趣味にしている精神的にイッちゃっているような人は結構いるが、これがまた対決には関係ない人物として出てくる。主人公の妻役になっている人がそうだ。普段から夫婦で、あっちの世界に現実逃避をすることで、自分が生きていることへの確証と安定感を求めようとする妻に付き合うことで、妻の生存意識を安定化させているという、とてもアレな人たちを演じている。これだけでも、かなりドキュンな感じがするが、それを映画にしているということは、観ている人も、自意識をめちゃくちゃ変更させないとまともに観られないんじゃないのかなとおもう。

映画をみたあとに、とても疲労感が出てきた。あの映画はもう一度観てみたいという映画じゃないなという感想を残して。

インセプション:Inception
URL : http://wwws.warnerbros.co.jp/inception/dvd/
上映公開日:2010年7月23日
配給: ワーナー・ブラザーズ
監督:クリストファー・ノーラン

エクスペンダブルズ

羽田から台北に向かう便の中では爆睡できなかったので、ご飯を食べている間以外はずっと映画を観ていた。まずは1本目として、シルベスター・スタローンが監督・主演している映画「エクスペンダブルズ(The Expendables)」である。この映画、内容よりも出演者のことが話題になったということだけが脳裏に残っていたので、どんな映画なのかなと少し気になっていた。

なにしろ、出演しているメンバーというのが、全員のギャラだけで一体いくらするんだろうということと、こんなメンバーを集められるのは、スタローンの交友関係じゃないと集められないというところだろう。

・「トランスポーター」でアクション演技が光っていたジェイソン・ステイサム。
・「ロッキー4」ではその存在がめちゃくちゃ印象に残るイワン・ドラゴ役をやった、ドルフ・ラングレン
・「ダイハード」シリーズで有名になり、禿の仲間では「にいさん」と言われるようになってしまった、ブルース・ウィルス
・知事の仕事が忙しいのになぜか出演していた、アーノルド・シュワルツェネッガー
・「猫パンチ」は誰でも記憶に残っている、ミッキー・ローク
・「少林寺」のジェット・リー

こんだけ主役級の人ばかり集めてみたら、一時期のスーパースターばかりをあつめてみたジャイアンツみたいに、内容が面白くないと、本当にどうしようもないような映画になるだろうなと思った。それも、映画の内容が、ドンパチもの。かつてのマッチョ系の人たちも、さすがに50歳や60歳代にもなっていて、それでもドンパチものに出ていたり、格闘シーンをやっているので、爺たちの戯れにしか見えないだろうなというのが、映画を観る前の勝手な想像だった。

映画のストーリは簡単に述べると、南米にある独裁国家の将軍を打倒するようにCIAより元グリーンベレーのメンバに指令が出る。だいたい、この設定自体がおかしい。現役のメンバではなく、引退した爺さんたちに指令を出すんだから変なのだ。ただ、そういうツッコミどころを気にしてたのでは、この映画を最後まで観ることは出来ないだろう。この映画の楽しみ方は、映画の内容を観るのではなく、それぞれの出演者の演じ方だけをみるべきだと思う。

分かりやすいところから観てみよう。

主役のスタローンは、友達なのか親友なのか分からないほかのメンバーよりももちろん出番が多く、一番かっこよく映っている。しかし、やつももう年齢は60歳オーバー。老体鞭打ちの格闘シーンがたくさんあるため、そのシーンが出てくるたびに、そんなにジジィをいじめるなよーと戦っている相手に対して憤慨してしまうような気持ちになってしまった。まるで、ジャイアント馬場が、リング上で戦っているときに、相手に選手が大げさな演技をして馬場の攻撃を受けているのを観ているのと同じだ。

シュワルツェネッガーは、映画の中では「協力できない」と仲間にならない宣言をするために教会にやって来るシーンで現れる。しかし、そのときのシュワルツェネッガーは、かつての映画の中でのムキムキな体型を披露しているわけでもなく、顔も皺くちゃで、だぼだぼの体にあってないようなジャケットを着て出演しているのだが、その姿が、さすがにしばらく映画に出演していなかっただけあって、ほとんど素人が出てきましたというような演技だ。こんなにこの人へたくそな演技だったのだろうか?といわんばかりのものだ。そして、現在、カリフォルニア州知事をしている彼だが、映画の中のセリフとして、仲間に協力できない理由が「大統領になるための準備に忙しいからな」である。なかなか笑わせるではないか。

ちょい役だったのだが、ブルース・ウィルスも見逃せない。映画の中では伝言役として出てくるのだが、そのときの様子があまりにも影が薄いのである。もっと長い場面に出演していればいいと思ったのだが、契約の都合なのかそれともブルース・ウィルスを起用する際の的確な役が無かったのか、短い出演を探してみたら良い。

一番笑ったのは、ドルフ・ラングレン。ロッキーのときのイメージしかなかった彼の演技が、ここまで映画の中で馬鹿な子のように演技しているのには、なにか痛々しさを感じてしまう。役柄、ヤク中になってしまっているというのだが、まるで壊れたロボットみたいな動きなのである。最終的には、仲間だったジェット・リーと戦うことになるのだが、背の高いドルフラングレンは、背の低いジェットリートの戦いの際、鉄骨が背の高さに存在するところに引き込まれてしまうことで、うまいこと戦えない。その様子も「馬鹿だな」と思う。もっと天井が高いところに誘い出せばいいのにとおもうのだ。

ミッキー・ロークは、諜報員・破壊工作員が集まるバーの店員をやっているのだが、ナイフの使い方はぴか一という役。ただ、彼もほとんどヒッピーのような格好で出ているので、最初、「誰?」と思ってしまった。落ちぶれたと思われるおやじが、ダーツの的をナイフで建て続けて真ん中にぶち込むというのは面白い。

ジェットリーは、やっぱり武器を使わず、肉体を使った格闘シーンだろう。背の高い人間達に囲まれているところでは、背の低さを馬鹿にされるようなことをされるのだが、それも愛嬌。でも、実際彼はもう50歳。少林寺のときのような技の切れは、さすがに無くなって来ているのだが、ドンパチものの映画の中ではその衰えは見え難いので、問題なし。ただ、もっとカンフー的な要素が出ていればいいのにと思うのだが、どうも洋式の戦い方に変わっているところが気に喰わない。

やっぱり、映画の中で一番輝いていたのは、ジェイソン・ステイサムだろう。年齢も実際には若いという理由もあるのだが、ジェット・リーに負けずと劣らず、空手技・足技の応酬で相手を倒していくところは圧巻だ。切れが良い。そして、無口で黙々と殺人マシーンのように殺したり倒したりするところが良いと思う。あまり、ぎゃぁぎゃあ騒がないところが爽やかだ。ただ、彼を見ていると、なぜかジャン・クロード・ヴァン・ダムといつもダブって見えてしまう。同じヨーロッパ白人だからなのだろうか?でも、ヴァン・ダムは腕による戦いは全くせず、ほとんど足技でしかやらないので、戦いのシーンを見るとイライラする。この映画では出演していなかったので、その出演が見れなくてちょうどよかったと思う。

ストーリはどうでもいい独裁国家撲滅が成功するということで終わる。そんなストーリはやっぱりどうでも良い。役に立たない独裁者が元CIAの悪人とグルになって悪いことをしているというところが、あまり悪そうに見えないところも、話に矛盾がでてくるような感じだ。

原題:The Expendables
URL : http://www.expendables.jp/
劇場公開日:2010年10月16日
上映時間:103分
製作国:アメリカ

台北松山空港

台北松山空港を利用するのは、随分昔に国内線を使って台東へ行ったことがあるときに使ったことがある。そのときの印象では、松山空港は、近代国家に入った台湾の一番の都市の空港であるにも関わらず、どうも田舎っぽい感じと、豪華さが全く無く、もう少し洗練したほうが良いとおもうんだが、どうして野暮ったいんだろうと思っていた。

当時は、空港のカウンターに行ってみて、預けなければならない荷物があった場合、カウンターで荷物を預けてくれるような手続きをしてくれるのではなく、チェックインしたあと、搭乗券と荷物を持って、荷物を預ける別室に行き、そこで荷物を預けるということをしなければならなかったのである。確かに、ベルトコンベアーを各チェックインカウンターに設置する必要が無いということで、空港にとっては都合がよい作りになっているのだが、カスタマーマインドとしてはこんな不便なことは無い。

今回も松山空港から帰国する際には、同じようなことが起こるんだろうなと思って空港に向かってみた。

ホテルから空港まではタクシーで10分以内のところにあるのでとても便利である。もちろん最近MRTが空港まで繋がっているので、それを使うというのも1つの手だが、ランディス台北ホテルからMRTでいく場合、一度忠孝路まで下って、さらに空港まで上がっていかなければならないという2回の乗換えをしなければならないというのが本当に面倒くさい。そう考えてみたら、タクシーで真横に突っ走ったほうが早いのは当たり前だ。

国際空港としての機能をもともと持っておらず、国際便をすべて桃園空港にしてしまったのは、羽田空港と同じような松山空港を、上海と東京へ都市間交通便として利便性を図るために無理やり国際空港にしてしまった空港を、どのように拡張させたのかを確認したかったのが、今回の羽田=台北松山便を利用した理由の1つでもある。

羽田の国際ターミナルも、国内ターミナルや成田に比べると小さいのだが、それは海外に飛ぶ便の数が少ないということを考えるとちょうどいい。台北松山空港の場合も、いまは上海と東京便しかないために、そんなに拡張する必要が無いのである。だから、その拡張のしかたが中途半端に見えるために、「おまえ、やっつけ仕事をしただろう?」とみたいな感じに正直見えた。空港のチェックインカウンターのところは、見た目は桃園空港と同じような対応をしているのだが、それ以外のところが貧相である。
出国手続きは2階から出て行くことになるが、そのときの手荷物検査もあまりチェックが厳しくない。おまけにその出国手続きをするところの対応するべき人数が少ないために、係員も適当である。空港内にある免税店も1軒しかない。シンガポールみたいに、むやみにブランド物の店を入れ込んで、これでもかーというくらいシンガポールに金を落とさせるというのも品がないのだが、あまりにも店が無いというのもさびしいものである。桃園空港みたいに店はあるのだが、あちこちに新東陽の店があったり、同じような店がこれでもかというくらいあるのも、これもまた芸が無いと思う。国際便のゲート数が少ないために、国際便を利用する人用の店も必然的に少なくなるのも分からなくも無い。だが、少なすぎると思う。もっと笑えるのは、搭乗までの時間を潰すために、出国手続きをしたあとに利用できる飲食できる場所のこと。これもまた1箇所しかないのだが、ここまで台湾を意識させてしまうようなものだったとは思えなかった。というのも、空港内のそれも搭乗口付近に屋台が出ているからである。あんまりがっつりとご飯が食べられるという施設ではない。飲み物の提供はできるし、スナックの提供は出来る。担仔麺は食べられないが、おでんは食べられるという意味不明の食事処である。

外気の気温はたぶん10度くらいだったことだろう。なぜか搭乗口附近は全体的に暖房機能が全く無くすごい寒かった。外気がそのまま入り込んでいるんじゃないのだろうか?というくらいの体感温度。やっつけ仕事で国際ターミナルは作ったものの、通常の国内線であれば、それほど搭乗までに時間に余裕を持ってやってこないということから、搭乗口に充実したホスピタリティを用意しなくてもいいと考えていたのかどうかは定かではない。国際線となると、大抵の人は結構長い時間待つことになるだろう。それを考慮するような作りになっていないところが残念だ。ここはもっと改良するべきところだろうと思う。
おまけにこの日の帰国は、なぜか定刻より45分の遅れ。チェックインカウンターで「機材が遅れているので、出発が遅延します」という説明を先に聞いていた。しかし、搭乗串前の付近で座っていたときに流れてきたアナウンスでは、「出発時間が遅れます。遅れる理由は現在調査中です」と言っていた。ん?言っていることが矛盾していないか?だけど、間髪入れず、そのあとすぐに「機材が届いていないために遅れます」というアナウンスが流れていた。一体どうなっているんだろうか?

忘れていたが、チェックインカウンターで並んでいたときに、その列に係員の人がひとりずつアンケートを取っていた。それは、この空港までどのような手段でやってきたかということだ。理想的な答えとしてはMRTで来たという答えを待っていたのだろうと思うが、残念ながら自分はタクシーなので該当せず。MRTの出口は到着ロビーの目の前から下にもぐれるところがあるので、とても便利になっている。しかし、MRTの路線は、地図で見てもらうとわかるが、なぜか空港があるところの部分ですごい屈折している。乗客が乗れ易いようにするためなのか、理由はよくわからない。今後、この台北松山空港を利用した国際線ももっと増えることだろう。そうなったときには、古くなった松山空港のターミナル自体を総取替えするような大規模工事をするべきだと思う。まずは、国際線を飛ばすことが目的のために必要最低限の設備を追加したという段階が今なのだが、これを打破するためには、あちこちからの來台の際に松山空港を玄関にするような仕組みを作ればいいと思う。

ランディス台北のケーキ

クリスマスの時期は日本だけに限らず、台湾でも同じように、みんなクリスマスケーキを食べるようである。中華文化だからといって、月餅を食べるということは無い。絶対無い。

クリスマス時期だから、やっぱり自分でも食べたいなと思った。以前、台湾でケーキを買ったのだが、すごい不味くて、どうしてこんなにケーキが不味いんだろうと思ったことがあったため、ちょっとケーキを買うのをためらってしまうが、ここは奮起してホテル内でケーキを買ってみた。

ランディス台北ホテルの1階にケーキが売られているが、ここで、ホールケーキを馬鹿みたいに買ってみた。買ったのはミルフィーユタイプになっているのだが、上にイチゴ、マンゴ、キウイ、青リンゴが可愛く載っていて、ホール自体もクリーム生地にクラッカーを崩したようなものが降りかかっている。写真では汚らしく見えてしまって申し訳ないが、ホールの一角を切った状態はこんな感じである。以前、台湾でケーキを食べたときのボロクソな評価はどこ行ったのか、このケーキを食べたときに日本の味にとても近づいているなと思った。ケーキ類はフランスやイタリアなんかに比べて、絶対日本のケーキが一番美味いと個人的には思っているので、その味に台湾人もようやく追いついたか!と上から目線で評価してみた。お世辞抜きに無く、ランディス台北ホテルのケーキは美味かった。

自ら買ってみたのだが、同日、夕方ホテルの部屋に戻ってみたところ、実はホテルからサービスとして、ひと切れのケーキがプレゼントとしてテーブルに置かれていたときには吃驚した。ウェルカムフルーツがあるのはわかっても、おかえりなさいケーキがあるなんていうのは想像しなかったからである。そちらは、チョコレート味のロールケーキであるが、クリスマス仕様になっており、ちょっと可愛い。こういうちょっとしたサービスをしてくれるなんていうのは、なんと憎い演出なんだろうか。ますますランディス台北ホテルが好きになったではないか。

ついでながら、一緒に売られていたマンモス・シュー・クリームもホテルで買ってみた。クリームもくどくなく、本当に美味しい。贅沢を言えば、もっと冷やしてもらったらいいのだろうかなと思う。

好記担仔麺(台北)

台北ではとても人気で、山や海の珍味を中心とした伝統的な台湾料理が楽しめ、堅苦しい雰囲気ではなく、誰も気軽に入店できるような店があり、頻繁に芸能人や有名人がやって来る店といえば、ここ「好記擔仔麵」である。前から旅々台北でも頻繁に紹介されているのを知っていたので、いつかは行って見たいとおもっていたが、これまた最寄の地下鉄の駅が無いために、なかなか行く機会が無いなと思っていた。ちなみに、隣にある「阿美飯店」は好記擔仔麵の姉妹店である。この店ではメニュは有って無い様な物。中国語のメニュを読めなくても、入口に陳列している本物の見本を見て、指差しで「あれが食べたい」といえば、店の人にそれが注文として聞き入れられ、そのまま料理がテーブルに運ばれてくるというシステムである。だが、値段もそこには記載されていないので、一体いくらのものなのかは全然分からない。値段としてはほとんどロシアンルーレット的な料理なのだが、とりあえず食べたいものを食べればいいのだ。店内は、台湾の気軽に入れるお店をそのまま絵に描いたような店であり、外とは仕切りが全然無いような作りになっている。もちろん奥の部屋のほうに行けば、それなりに表の喧騒から離れたところで食べれるので、安心できるだろうが、ひっきりなしに人が入ってきて、屋台に屋根がついた感じを楽しみたいのであれば、お店の入口付近のほうが絶対楽しいと思う。店内では、ひっきりなしに店の人があちこちのテーブルを行き来しているのだが、その中でバドワイザーガールならぬ、キリンガールなるものが「キリンビールはいかが?」とテーブルを廻っていた。台湾ビールを勧めてくるというのであれば、台湾らしくて良いのだが、なぜこんな台北の中でキリンビールなんか飲まなくちゃいけないんだろうと思いつつも、思わず1本注文する。KIRINと描いてある超ミニのスカートを履いた格好で売っているのだが、外の気温はなんと10度。半室内であるため、外の気温がそのまま感じられる場所で、こんな格好でキリンビールを売っている姿に健気な気持ちは・・・これっぽちも無い。向こうは商売だ。
この店で結局選んだものは、陳列台のところに名前が描いていなかったのだが、注文をとった伝票に落書きのように書かれた内容を解読したところ、下記のような内容のものを頼んでいた模様である。

・三杯雞 
・椰子麻油鮮蝦湯
・百香果龍蝦沙拉
・擔仔麵 
・ビール

「三杯鶏」は、土鍋の中で鶏肉を酒・醤油・ごま油で炒めたような料理で、肉も骨をちゃんととっているので、全部丸かじりで食べることが出来る。味が少し濃いような感じがしたが、これは単独で食べるのではなく、次に紹介する「百香果龍蝦沙拉」と組み合わせて食べるのが口の中では暴れなくていいだろうと思う。「百香果龍蝦沙拉」はへちまの実を輪切りにして、その1つ1つを少しくり貫いて、その天辺に小エビをまぶしたという、ちょっと手の込んだものだ。もちろん、これは冷菜の分類に入るものであり、味としてはあっさりしている。だから、さきほどの三杯鶏のような味の濃いものと一緒に食べると本当に良い。だいたい、このへちまの料理は、これだけ食べていると、ちょっと飽きてくるし、外は寒いし、元々へちまの料理自体が体温を下げるような料理なので、必然的に寒くなってくるのである。そんな中にもう1つの料理である「椰子麻油鮮蝦湯」は、見た目が面白い。椰子のみを輪切りにして、その中をくり貫いて作った、御椀代わりのところに、ぷりぷりとした皮付きの蝦がたくさん入っており、それと一緒に、しょうが、豚肉の切れ、レタスが、スープの中に入っているという作りである。これがまた海鮮風味の味がしてとても美味しい。椰子の実の御椀だけでは、中に入っているスープがもれ出てしまうということがあるので、さらに大きな受け皿が設けられているのだが、その受け皿にもスープがダダ漏れ状態になっているのが、日本酒を枡で受けて、その枡にも洩れた状態で運ばれてきているのとなんとなく似ている。ただ、この受け皿のところにも、実は蝦が隠れていることを後で知る。満腹だなーと思って、半分遊びで受け皿のほうを触って遊んでいると、まだ食べていない蝦がこんにちわーと出てきたから、吃驚した。
メインの料理のほかに、軽く担仔麺も食べてしまったために、めちゃくちゃおなかがいっぱいになってしまった。値段も分からず食べていたので、一体いくらかかるのだろうか?とドキドキしていたのだが、会計をしに行くと、全部で1330元と言われる。ん?一体、なにが高かったのだろうか!?明細をもらえないので、一体なにがいくらだったのかが全く分からない。しかし、美味かったから許そう。

ちなみに、ここで食べている間に、隣のテーブルには日本人が入れ替わり立ち代りやってきて食べていた、最初に食べていた日本人は、少食だったのだろうか、あまりろくな品物を注文しないで帰っていったようである。こっちはキリンビールの姉ちゃんと写真は撮るわ、店の人とわーわー喋っているわだったのが、鬱陶しかったのだろうか?

好記擔仔麵 台灣小吃
URL : http://www.hawji.tw/main.php
住所:台北市吉林路77~83號
電話:02-2521-5999

北平一條龍餃子館(台北)

西門町でCDでも買おうと思って移動してみた。その前にご飯を食べたいと思っていたのだが、なんだか考えるのが面倒くさかったので、以前来たことがあり、その時には満腹になりすぎて動けなくなったところがある。西門町では老舗中の老舗になった北平一條龍餃子館である。

名前の通り、こちらは北京料理の店であるが、あんまり個人的には北京料理の店だという認識がなく、よくある台湾のちょっとした美味い店という認識しかない。北京料理なので、おそらく国民党が大陸から台湾にやってきたときに一緒になってやってきた人たちが開店した店なのだろうというのはわかる。なにせ、店の入口に「50年老店」と老舗らしくない宣伝看板が出ていること自体が何か気味悪いのだが、そんな宣伝をしなくても、古い書物の中にはこの店のことさえも出てくるので、いまさら宣伝しなくてもいいだろうと思う。

例えば、台湾の代表的な作家である白先勇が書いた長編小説「孽子」の中にも、この店でご飯を食べたシーンは出てくるし、本の中で書かれている店の様子は、現代の店の雰囲気と全く同じ状態なので、店の中に入ると、昔から何も変わっていないんだなーということと、その雰囲気が好きなので老若男女がこの店を常連として来ているんだろうなというのは想像できる。

お店はガイドによると、もともと14時までしか開業していないと書いていたので、13時45分頃に到着してしまったときには、もう店はダメかなーと思っていた。ところが、店に行って見ると「どうぞー」と予想に反してウェルカム状態だった。あれ?2時までじゃないのかな?と思っていた。折りしもこの日は12月24日。クリスマスイブの日だからか、西門町には人がたくさん溢れていた。隣の麺線屋もめちゃくちゃ長蛇の列ができていたくらいだからだ。だから、店のほうも稼ぎ時だと思ったのか、通常14時で一度閉店するところを、この日は閉店時間無しにずっと営業をしていた。だから、後から後から常に客が入ってきてご飯を食べていた。最初に通されたのは奥の大人数の人が一度に座れる円卓だったのだが、座っている場所が料理を運んでくる際に一番邪魔になる場所だったためと、他のテーブルがたまたま空いたからという偶然が重なって、移動を命じられた。ちょうど部屋の隅っこでご飯をたべるような形になったので、邪魔されなくて便利だった。

前にもこの店でバカ食いをした記憶があるが、この日も結局バカ食いをしてしまって、一人で「満腹すぎて苦しい」とそのあとしばらくは唸ってしまっていた。

食べたものリストは下記の通り。

・韮菜蝦仁水餃 126元
・鮮肉蒸餃 98元
・宮保鶏丁 148元
・炒青菜 102元

餃子は蒸しと水餃子の二種類を頼む。どちらも1籠10個入りのものだが、これもぺロっと食べてしまった。どれだけ腹が減っていたんだろうと思う。しかし、美味いから食べ進んでしまった。蝦が入った水餃子は、皮むきされた蝦がそのまま入っており、それにニラと豚肉が混ざっているため、これがかなり美味い。もちろん、一番定番の蒸し餃子自体も美味いのだが、やっぱり水餃子のほうが好きだな。しかし、北京あたりの餃子だと、焼き餃子が一般的だと思っていたのだが、本当のところはどうなのだろうか?北の小麦・南の米という食文化だったから、北に属する北京は小麦文化なので餃子が主食に使われるのは理に適っている。宮保鶏丁は鶏肉と胡瓜が甘辛ソースで絡めたものなのだが、これはこれでまた美味い。胡瓜のしゃきしゃきとした食感と、鶏肉のぷりぷりした肉が舌に絡まると、絶妙な味わいだ。しかし、大量には要らない。味が結構濃い気がするので、途中でお茶をたくさんがぶ飲みしてしまった。青菜のいためは、中華料理の定番中の定番炒めものなのだが、このにんにくとの組み合わせはなぜ単純なのにこんなに美味いのだろう?ニンニクを組み合わせると何でも美味くなるという秘密の調味料みたいでおもしろいと思う。しかし、たべたあとは、口がとても臭いので、このあとはキスが出来ない。店の壁を見ると、店の名前にもあるように、一匹の金色の上り龍のモニュメントが掲げられている。なんでも龍とか虎とか使っていると力強いような気がするが、むやみやたらに使っているとありがたみがないような気がするなー。店の名前なんて、店長の好き勝手に決めるものだから、客は文句が言えないけど。
全体的にはやっぱり美味しいお店であり、安心していける場所であるのは再認識した。

北平一條龍餃子館
住所:台北市峨嵋街10號
電話:02-2361-6166
営業時間:11:00-14:00(Sun11:00-14:30) / 16:30-21:00
URL: 旅々台北のサイト http://www.tabitabi-taipei.com/html/data/10092.html

艋舺地蔵王廟

龍山寺の裏側を歩いていると、横道を挟んですぐ隣に地蔵王菩薩の廟があることを発見した。いままで何度か龍山寺に行っていたのに、この地蔵王廟に行ったことが無かったし、存在自体さえも知らなかったとは、やはりその土地をうろうろ、地井散歩のように歩いて見なければ分からないものだと思った。この廟を知ったのも、最近できた土地の観光案内看板を見つけたからこそだと思う。この看板にこの廟の紹介がされていたので、たまたま見つけて行った見たようなものだ。

艋舺地蔵王廟の入口は、日比谷の野音のステージみたいな天井の高い入り口になっているので、中はさぞかし広いものだろうと思いがちなのだが、この前戯的な入口が広いだけで、実際の廟はそんなに大きいものではない。なぜこんなに入口付近が広く出来ているのだろうか?新竹のように廟の周りにすぐにでも屋台が営業開店できるように、雨避けのための屋根になっているのだろうか?

地蔵王廟なので、死後の世界に迷わないようにしてくれるようにお祈りする場所なので、現世に対して何かを祈るという場所ではない。たぶんお祭りは存在するのだろうが、そのとき以外はあまり参拝客は少ないようだ。まぁ、近くに何でもありの神様を祭っている大きな寺があるから、そこに普段はお参りに行くため、あまりこちらには来ないのだろう。それでも、近くのおばさんたちの井戸端会議場になっていたのは言うまでも無い。

おばさんたちを横目に中に入ろうかな、どうしようかなーという顔をしていたら、「入んなさい、OKよ」と日本語で言われた。なんで日本人とばれたんだろう。謎。


艋舺地蔵王廟 参考
URL:http://deroren21.blogspot.com/2010/06/blog-post_26.html

映画「モンガに散る」の撮影現場

2010年台湾映画で一番の大ヒットといえば、映画「艋舺(日本語タイトル「モンガに散る」)」で、1970年代頃の今の萬華あたりのヤクザとチンピラもどきの抗争と、台湾人ならではのプライドと仁義という、日本のヤクザ映画に通じるものが台湾人にも心に染みたのだと思うが、なぜかあまり日本では話題になっておらず、東京国際映画祭で上映されたときくらいしか話題になっていないような気がする。個人的には2010年では一番素晴らしい映画だと思うのだが、日本での台湾映画の人気の無さをここまであらわしているのかと少し残念だった。

たまたま龍山寺に出向いて、そのまま帰るのはもったいないから、龍山寺の周りを散歩デモしてみようと試みてみた。というのも、龍山寺の周りは台北の中でも一番古い町であり、本当は一番面白い場所なのだと思うのだが、これまであまり広範囲において龍山寺の周りを歩いたことが無かったのである。

ぷらぷら地井散歩みたいな感じでうろうろしていたところ、なんだか古めかしい建物があったので、これは面白そうだと、ちょっと寄ってみた。映画の影響で作ったのかよくわからないが、萬華の古い町をそのまま残したい運動がどうやら映画をきっかけに起こったらしく、期間限定で映画「艋舺」の撮影のときに使われていたセットや衣装や小道具が展示されていたのは面白かった。それを目当てにやってきた映画をみたファン達もたくさん訪れていて、もともと萬華はなんとなく爺さんたちが集まる町だと思っていたのに、なんとなくジジィ色が色あせて、若い人たちが集まってきていたのはなんともおもしろい光景だった。そのセットというのは、映画の中で、ドラゴン親子の家でご飯を食べるシーンが何度か出てくるが、そのシーンで出てきた回転テーブルや麻雀台である。結構そのご飯を食べているシーンというのは印象的だったので、よく覚えているのだが、そのシーンがそのまま残っているというのはなんだか自分があのシーンの中に引き込まれているような感覚になるので面白い。衣装にしても、映画に出てくるあのチンピラ5人衆が来ていたそのままの服が展示されている。映画のときには、出てくる人たち全部がへんてこりんな服装だったので、あまり気にしなかったが、現代のそれも現実の世界にあの服装が出てくると、これほど変なデザインの服はないなーと思う。日本でもたぶん1970年代頃のファッションとしては、映画に出てくるような変なデザインも一般的だったと思うので、他人の国のことは笑えないなとおもう。なぜなら、そのころの日本はサイケデリックブームだったはずなので、奇抜なデザインやちょっと風変わりなデザインが一番流行だったからだ。でも、いま来たら、絶対似合わないと思う。映画の中では乱闘シーンが何度も出てくる。最初は素手での殴り合い。これは別に血が出るだけだし、誰も死ぬことは無い。後半になって、ドラゴンのセリフがだんだん少なくなってきて、5人組のうち、スポットライトが当たってくるのがモンクとモスキートの2人になってくると、乱闘シーンも飛び道具やナイフや剣を使ったシーンが出てくる。それもこれも、少林寺ならぬ戦闘の訓練の合宿に連れ出されたシーンが出てくるところから、戦闘シーンも血なまぐさくなる。そうなると、本当にヤクザの乱闘と変わらなくなってくる。そのときに使われていた短剣や銃のモデルが展示されているのも面白い。日本統治時代の名残なのか、日本式の短剣もあれば、大陸から新興勢力としてやってきたヤクザが持ち込んできた中国式の剣もあるので、台湾は武器だけをみても、いろいろとミックスされているところなんだなというのがよくわかる。そんな映画のセットのほかに、萬華を中心として中国大陸からやってきた漢族の氏族の歴史みたいなのが展示されているエリアもあった。中国式の名字は、その名字自体を保有しているとその祖先がどこの出身かわかるようになっている。が、台湾の場合、福建省からやってきた民族ならわかるが、原住民もいまでは漢族式の名字を使っているので、そういう人たちまで出身が適用されるかというと、かなり疑問である。だから、こういう展示物を置いているという理由がよくわからない。確かに萬華あたりの土地は、元々の原住民を追い出して漢族が住み着いた場所では有る。が、漢族が偉くて原住民が偉くないというのを示しているみたいで何か面白くなかった。展示している内容も内容なので、映画のセットがおかれているところと対照的に、全然人が入っていなかったのが笑える。
「モンガに散る」公式日本語サイト
http://www.monga-chiru.com/

電影《艋舺》官方部落格
http://mongathemovie.pixnet.net/blog