2010/01/12

JALの会社更生法適用申請

JALがとうとう会社更生法を申請した。2002年にJASとくっついてから、どうやら会社の方向がおかしくなったようである。もともとJASは貧乏人相手にしているような航空会社であったため、JAL/ANAに比べて値段が安かったのだが、その会社と巨大なJALが一緒になったことで、一時は飛躍的に成長するなんていうのがあったのだが、その後、原油の高騰やらリーマンショックなどのことが重なって、とうとうJALもにっちもさっちもいかない状態になったのは、たまにJALに乗ってみてよく感じた。特に、ANAがスターアライアンスに加盟したときには、がばーっと客の流れがANAに傾いたとおもうのに、それでもJALは「わしらは、どこともアライアンスに所属しない」と強気でしばらく押し通していたのは、いまとなっては笑える話だ。その後、ようやくワンワールドに加盟することになったのだが、それでも「日本の金持ち客はANAなんか使わず、JALを使う。」と勝手に過信していたようで、JALカードメンバに送られる雑誌なんか見ても、こんなのどこの金持ちが買うんだよーというような内容ばかりのこの雑誌に書かれていて、それで満足しているような状態であったところをずっと見ると、JALってどうしようもないなーと思っていた。その後、羽田空港の大改修が行われ、ANAが違うターミナルに移り、ANA側のほうのターミナルはものすごく近代的で綺麗なターミナルになったことで、さらに客足はANAに向いたことだろう。もうそうなったときには、JALの体質はズダズダな状態であったのだが、親方日の丸体質は抜けず、最近まで強気に居た。

JALは経営的に傾いていたのにも関わらず、個人株主を囲うために、それまでも発行して続けてきた株主優待券を最後の最後まで発行していたのは、笑える話だ。株主配当金が早い段階からゼロ円になっていたとき、いまは苦しい状態かもしれないが、そのうち復活するだろうとJALに対して甘い期待をしていたひとたちはたくさん居たに違いない。ところが、株価320円ごろをピークに、その後どんどん下がってきて、売るに売れなくなってきてしまった個人株主は多かったことだろう。また、配当金はなくても優待券は毎年2回発行してくれるので、それを頼りに持ち続けていたひとが多かったに違いない。

また、JASとの合併前から話題になっていたのだが、JALの組合体質はかなり致命的な組織編制をしていたことは有名だった。1つの会社に組合が7つも8つもあるとなると、会社側と組合側が双方で決着させるためにはかなりの労力が掛かることになる。組合側も相互で喧嘩していたということも後になって発覚したのだが、普通の感覚だと、そんなに組合が分裂しているのだと、ほとんど同じ会社とは思えないものだろう。年金に関しても現役が早速減額になることに了承したのに、OB/OGが最後まで「減額は嫌だ」と現状を見ないような反応をしていたのを何度もニュースで流れてはいたが、それを観るたびに「会社もだめだが、社員もダメだな」というのはよくわかった。

客室乗務員がシンガポール航空みたいに若い人を使っていないという点については全然文句を言うところじゃない。むしろ、年配であるにもかかわらずあまりおごらないような態度をとって接客していた年配の客室乗務員に対しては、いつもすばらしいと心からほめていたくらいだ。ユナイテッドやノースウェストのような、デブのババァスチュワーデスなんか、乗客を迎えるときからほとんど客を家畜を移動させているのと同じような扱いをしているのに何度も出くわしたことがあるが、あんな態度をJALでは一度も見かけたことが無い。

機内食についても海外に行くときに何度か利用したことがあるのだが、JALが傾いていたにもかかわらず、いま精一杯できる限りのメニュを出していますというのがよくわかって、中国東方航空にその努力を教えてあげたいくらいだった。中国東方航空のご飯は今までの乗った航空会社の食事の中で一番最低だと今でも思っている。国内線を利用している限りにおいては、J-Classの導入に伴い、ちょっと違うエコノミーを演出したのはいいとしても、年々サービスがグレードダウンしていたのは気になっていた。

それでも毎日JALは日本全国および世界の路線を飛行中だ。実際に働いている社員にとっては、一度倒産してしまっている会社で働いていることに対して、モチベーションはあがらないことだろう。しかし、それでも利用してくれているお客さんがいるからこそ、仕事はしがいがあるものだ。もう機内でのサービスは何もいらない。サウスウェスト航空のように、飲み物も雑誌や新聞のサービスも要らない。国内だったら、たかだか2時間程度なのであるから、その間は客のほうも我慢しろといいたくなる。金が無いんだから、飛ぶだけマシだろう。

あとは路線だ。大都市を基点とした地方都市への路線はまだいいとして、地方都市間の路線ほどいらないものは無い。ただし、離島への路線は除く。それも毎日必ず1便は飛ばなければいけないような路線の組み方をしているのも無駄であるに違いない。いっそうのこと、週に3便のみというような路線の組み方ではダメなのだろうか?いくら離島であったても毎日飛ぶ必要は無いはずだ。あと、JALしか就航していない路線は、全部廃止するべきだと思う。JALしか就航していないということは、それだけ不要だからということと、強引に政治家の力で飛行機を飛ばしてしまった結果だということが丸解りだからだ。いまだと、山形、青森、松本、静岡、南紀白浜、出雲あたりがJALしか就航していない無駄な拠点だと思う。これはいっそうのこと、自衛隊か米軍基地に払い下げしたほうがいいのではないだろうか。

100%減資になることが決定したことによって、現在発行されている株は紙切れ同然になる。といっても、昔みたいに株の証書があるわけでもないので、いまでは記念にもならない。思い出として残らなくなる。それでも市場は株の売買が行われているのが面白い。報道発表が行われた本日においても、ストップ安になっているとはいえ、まだ37円で取引された。といっても、実質、約定された株数は800万株くらいしかなく、売りたいとおもっていたひとたちは、5億6千万株以上もいたというのだから、ここで一気に売りに来たということなのだろう。おそらく、ライブドアのときと同じように、1円や2円の間をしばらくは行ったりきたりするのだろうと思う。あと、いちおう、現在発行されている株主優待券は使用できるらしい。しかし、3月に株主として株を持っていたとしても、その後はなんのメリットもないので、大きな勉強をしたとおもって、あきらめたほうがいいと思われる。

100%減資になることに対することに対して正しい知識を書いているところがあるので、それを紹介したい。下記の2つはJALが結果的にこんなだめな状態になった奇跡を詳細に説明しているサイトと、その後の株式の取り扱いについて説明しているので、参考にしていただきたい。

ぐっちーさんの金持ちまっしぐら
http://guccipost.jp/cgi-bin/WebObjects/12336a3d498.woa/wa/read/sq_12626e75aa3/

www9945のサイト
http://plaza.rakuten.co.jp/www9945/diary/201001130000/

鶴のマークのナショナルフラッグが、これで消えてなくなった。新生JALは、どこまでがんばれるのかは組合の1本かと、親方日の丸体質の脱却ができなければ、いつまでもたっても支援団体からの寄付でしか会社が運営できなくなることは、すでに目に見えていることだ。

東武ワールドスクエア

東武ワールドスクエアは、昔からTVCMで見たことはあっても、鬼怒川温泉にあるために遠いし、たいしたものではないと思っていたために、鬼怒川温泉や奥鬼怒のほうにいったとしても、こんなところに行く気が全く無かった。行った事が無いだけで「良くない」というよりは、一度は行ってみようと決心して行ってみた。正直、海外に行かなくてもあれだけ精巧に作っているから、かなり楽しめるものだと思った。

鬼怒川温泉駅からバスに乗ること10分。ほとんどの人が車でくるためか、バスの中は誰も乗っておらず、週末だというのにすかすか。これじゃ、赤字になるのは当然だろうとおもいつつも、車でここにきているわけではない人間にとってはありがたい交通手段だと思った。バスは園内の所定のバス停まで行くことが出来るので、素直にバスに乗っていれば問題なし。

園内に入ると、ディズニーランドよりは劣っているが、それなりに内部は夢あふれるものが揃っていますという宣伝と看板とゲートが待ち受けている。それを潜ると、東京周辺の有名な建物や地域の紹介エリアから始まり、続いて主にニューヨークの建物風景、それからヨーロッパの建物の紹介があったあと、アジア各国の建物と風景があり、一番多く紹介されているのが、ネタとして材料が豊富に揃っている日本の各地の建物や風景の紹介のコーナーだ。1個1個がかなり精密に作られており、ある一瞬の情景を立体的に表現しているため、その建物と周りの風景に関わる人間や車や動物なども静止した状態で表現されているのが面白い。写真だけじゃなく、3次元で表現しているのがおもしろいものだ。だから、何気なく置かれている人形たちの動きが面白い。単に道や建物内を歩いているというものではなく、立ち話をしていたり、犬が壁でおしっこをしようとしているのを制止したり、ボール遊びをしているひとたちがいたり、転んでいるひともいたりと、本当にその状況が見えてきそうなものを表現しているのがすごい。

1/200だったかに縮小しているため、カメラアングルを小さい人形たちにあわせると、まるで自分がその場所にいるかのようなカメラ映像を取ることができる。例えば、ニューヨークのビル群のなかで、銀行団だったかを包囲している様子をフィギュアで表現しているのがあったが、まさしくそのなかにカメラをおいて撮影すると、事件現場にいるような雰囲気が出てくる。園内の各所には、隠れキャラとして「ペコちゃん」があり、どこに隠れているのか、クイズとして出題されている。ペコちゃんは結構あちこちに隠れていて、それを探すのはかなり難しい。なぜなら、似たようなフィギュアがたくさんあるからだ。でも、それを探しながら各展示を詳細に見学ができるところにメリットがあるのだろう。馬鹿にしていたのだが、なかなか侮れないテーマパークがまだまだ東京近くには存在していたと改めてわかった。

平家最中(湯西川温泉)

湯西川温泉のお土産として最適なのは、物資の少ない湯西川温泉でも他に負けないものとして「平家最中」が挙げられる。こんなクソ田舎のところで、なにか銘菓でも作るべきだという意見があったのかどうかは知らないが、たいていの泊まった旅館・ホテルで売られているので、部屋菓子として提供されていたりすると、それを機に目にすることがあったかもしれない。平家最中は、単純に麩菓子のような皮に、粒あんがたっぷり入った最中である。しかし、「平家」という名前が付くからにはそれなりのものがあって、皮はてっきり平家の家紋である「丸に揚羽蝶」かとおもっていたら、そんな複雑なものを作るのは面倒くさいためか、葵のご紋のような文様が入っている。
平家最中は売られているところは、すべての旅館でとはいいつつも、それなりの観光地としてはめちゃくちゃ人が来るところではないため、いつでも最中が買えるというわけじゃないかもしれない。ということで、できれば、到着した日にすぐ「平家最中を買いたい」と宿泊したところを経由に注文しておくのが良い。そうすると、翌朝、泊まっている旅館で取り寄せしてくれているものを購入できる。こういう細かい動きができるのは、狭い範囲の温泉地だから出来る業なのかもしれない。

もちろん、平家最中を製造している場所に行くのもいいだろう。温泉地街を散策していると、必ず目に付くところに存在するので「どこですか?」と聞かなくても絶対わかる。普通の和菓子の店で作られているのが良くわかり、1個から買うのも良いし、もちろん6個いりの箱で買うのもいいだろう。でも、あまりにも旨いので、もっとたくさんほしくなるはずである。

平家最中
住所:〒321-2601 栃木県日光市湯西川678-3
電話:0120-598103

平家そば(湯西川温泉)

湯西川温泉では、結構有名な食べ物屋も存在する。しかし、メインの通りからはちょっと離れているので、解り難いかもしれないのだが、それでも川沿いの景観地にあるので、いやおうにも目に付くと思われる。特に雪の降っている時期にいく場合には、川を渡る橋自体も雪がたくさん積もっているので、足元が悪くなっているし、川沿いの道自体も雪深くなっているので、こちらも歩くのは難儀だ。そんな苦労(?)をしたあとに店にたどり着くと、山奥をさまよった後に、ようやくたどり着いたオアシスのような感覚を覚えるだろう。

店内に入ると、いかにも田舎の蕎麦屋という様子が伺える。テーブル席と座敷席と2種類あるが、座敷席のほうは掘りごたつになっているわけではないので、冬の時期に行っても温まりながら蕎麦をすするということは無い。できれば、掘りごたつ形式にしてほしかったかなと思われる。テーブル席のほうは、そばに昔ながらのストーブが転がっているので、寒さのほうは我慢できる。が、やっぱり昔の家風に作られている建物であるために、どこからか隙間風が入ってきて、足元は冷たく感じる。平家そばと言っても、これといった特徴は無い。たぶん、蕎麦好きの人から見たら、微妙な特徴があったりするのだろうが、蕎麦の味がよくわからないものにとっては、どこに違いがあるのか?といわれてもよくわからない。個人的には後者のほうだ。だから、ここの蕎麦はこんな特徴があって・・・と本当は説明したいのだが、それができないのが悲しい。勝手ながら、平家落ち武者の村で蕎麦屋を出しているから「平家そば」と名乗っているだけなのだろう?と思っている。ここで食べたのは山奥だからという単純な理由で「山菜蕎麦」と「きのこ蕎麦」を注文。たっぷりの舞茸とそのほかのきのこ類がトッピングされたものが出てきた。器としては多くも無く、少なくも無く、程よい大きさだったので、さくさくっと食べることができた。が、そうはいっても、蕎麦屋のくせに値段が高い。スキー場のカレーライスの値段の高さも正直うんざりするのだが、ここの蕎麦屋においても同じような値段設定がされているようで、蕎麦ごときに1000円近い値段がするのが驚きだ。客単価が高いということは、それだけ人が来ないから儲けのためなのだろうというのは想像が付く。しかし、体はあったまったからなのか、旨かった。やっぱりきのこ類の蕎麦はどうやら好きだからかっもしれない。昼ごはんの時間を避けて中途半端な3時ごろに入店したのだが、自分たちのほかは老夫婦が1組いるだけだった。老夫婦のほうが後から入店してきたのだが、ちょうどタイミング的に同じようなときに注文をとったからなのだろうか、同じ時間に同じようなメニュが出てきた。さっさとメニュを決めなかった自分が悪いのだが、オヤジたちの即決めには脱帽である。

湯西川温泉に来たからには、時間が過ぎるのは忘れて、のんびりすごしたほうが良い。という意味では、注文した後にいくらまっても蕎麦が出てこなくても、ここはじっくりのんびり構えて、風景でも楽しむか、湯西川の田舎っぽさについて話をして時間をつぶすのが良いと思う。


平家そば 志おや
住所 栃木県日光市湯西川990-2
電話 0288-98-0434
営業時間 11:00~16:00(売り切れ次第閉店)
定休日 不定休
座席数 テーブル20席、座敷10席

湯西川温泉の雪景色

湯西川温泉は奥鬼怒の中でも、かなり奥地にあるため、かなり寒い。さらにいちおう越後山脈よりも関東側になるのだが、日本海からの湿って冷たい空気は、湯西川温泉あたりではまだまだ勢力活動が激しいところであるために、雪は日本海の町と同じくらい降る。だから、冬にこのあたりにくると、ほとんど日本海側の山間部と同じような感覚に襲われる。
湯西川温泉の真ん中を縦断する川も場合によっては凍ってしまうくらいの寒さはある。伴久ホテルの傍にあるの川向こうにある滝は、伴久ホテルの名物景色になっているのだが、冬季はこの滝が全面的に凍ってしまうために、氷の壁として、冬にまた客寄せパンダになるから願ったりかなったりだ。それだけ冷え込みが厳しいため、外を軽装で歩くことはかなり危険だと思われる。といっても、本当の日本海側のドカ雪地帯とは違い、それなりに雪は降るが、歩くと埋もれるというようなことまでは降らないし、幸いにも道があちこちに広がっているわけでもないため、町民全員が力を合わせれば、除雪は簡単にできるというのがメリットなのだと思うが、そんなに雪は積もっているという印象は無かった。だが、なにもないような地方の山奥なので、それなりに雪景色はとても綺麗に見える。屋根から長い氷柱が付いたまま、軒下奥まで垂れ下がっている様子を見ると、あの下に良くと、そのうち脳天に氷柱が突き刺さって死んじゃうかもしれないという危険性は誰しも思うことだろう。

湯西川温泉へのバス

湯西川温泉に行く場合には、鬼怒川温泉駅から行くか、または湯西川温泉駅から行くかのどちらかからバスに乗るか、もしくは車でいくしかない。バスの場合は、鬼怒川温泉駅からよりも、湯西川温泉駅からのほうが断然バスの数が多いのだが、湯西川温泉駅に電車で移動するときに、電車の本数が少ないというデメリットはある。そう考えると、東京からいく場合には、素直に鬼怒川温泉駅で電車を降り、そこからバスに乗って終点まで行くのが一番便利だろう。バスは途中で、湯西川温泉駅も経由することになるので、鬼怒川温泉から来るバスに湯西川温泉駅から乗るというのは無意味に違いないし、場合によっては既に満員になっているので、道中辛い旅になってしまうことが予想される。

鬼怒川温泉駅からは約1時間、湯西川温泉駅からは約30分の道のりで、湯西川温泉に到着する。鬼怒川温泉駅から湯西川温泉駅までは、まだ人間が住んでいる場所を通るということもあるので、単なる田舎道という感じがする。途中で別の温泉町である川治温泉を経由するので、温泉町のはしごをしていることも思えるからかもしれない。ところが、だんだん山深くなっていき、湯西川温泉駅までくると、それまでの風景とは全く異なり、ダムと森しかないような殺風景な場所にやってくる。そこからさき、湯西川温泉の町までは、はっきりいって何も無い。何も無いのだが、バス停はちょこちょこと存在する。一体誰がそんな場所から乗ってくるのだろうかと疑いたくなるようなところにバス停は存在する。おそらく土木関係のひとがダムや工事のために使っているだけだろうとおもう。が、そんな人たちも会社か自家用車でこんなところに来るので、湯西川温泉駅から先は、ほとんどノンストップでバスは運行される。ただし、道路事情により落石や一方通行なんていうことがなければ、時間通りに到着するのだ。そのあたりが田舎のバスはすばらしい。

ちなみに、鬼怒川温泉駅からのバスで、湯西川温泉駅まで来た場合には、時間調整という名目で、バスの発車時刻までトイレ休憩になる。確かにこのあと約30分間、どこにも止まらずバスは進んでいくので、このあたりで一発仕事をしておかないとあとで辛くなる人もいることだろう。

湯西川温泉の町にやってくると、大きなホテルの前にはバス停が必ず存在する。なので、泊まるホテルによっては、バス停が存在するので、バス停があるところなのかは確認したほうがいい。今回泊まった「平の高房」みたいなバス停とは程遠い場所にある場合には、バス停からホテルの人に迎えに来てもらえればいい。降りるバス停を間違った場合でも、湯西川温泉の町は小さいので歩いていけばすぐにいけるので心配する必要が無い。

鬼怒川温泉駅からバスに乗る場合、途中にダム沿いを通ることを考えると、バスからの車窓は絶対右側のほうが良い。鬼怒川温泉駅から湯西川温泉までは片道1750円。結構な料金だ。だから、1000円札で最終バス停で支払っている人たちが多く見受けられる。

かまくら祭り(湯西川温泉)

湯西川温泉では、冬になると陸の孤島のようになるし、これといって見所がないところなので、なにか冬のイベントとして村の活性化になるものはないかと考えられたものから始まったのが、「かまくら祭り」である。

湯西川温泉全体を使って、大小さまざまなかまくらや雪だるまを作って飾っているものである。日程によって、かまくらができる場所が異なっているために、常にここでやっているというのがない。今年は例年より早くかまくら祭りが始まったようで、はじめのころは、上流のほうで、小さいかまくらが作られ、そこに夜になるとろうそくが灯されるという夜のイベントとしては、なかなか楽しく良い景色が見られるものだ。しかし、夜に見ると、めちゃくちゃ寒いので、温かい格好をして見に行きたいところである。町の真ん中にいくと、いろいろな店の前に、店の人が作った独自の雪だるまがまた面白い。それぞれの店の趣向が出ているのもあるのだが、なんといっても可愛らしい。東京にいると、こんな雪だるまはつくれないということもあるのだが、ありがちな雪だるまのデザインになっていないところが面白い。こういう山奥だから、雪なんて腐るほどたくさんあるので、その雪を使って何とかならないだろうかというのはあるのだが、不要な雪を使ってイベントにしちゃうのは、まるでさっぽろ雪祭りと同じだ。

平の高房(湯西川温泉)

もう何度目の湯西川温泉だろうか。湯西川温泉に行くと、毎回お世話になるのが、湯西川温泉の中でもかなり奥地にある「平の高房」だ。湯西川温泉の一番の繁華街からも離れており、本当に孤島のような山の中にある。

湯西川温泉に何かを求めて行くというのであれば、それは湯西川温泉にいくべきではない。なにもないから湯西川温泉なのだ。そのなかでもさらに平の高房のある場所は、ど田舎にあるため、滞在中はここではのんびり部屋でうだうだしているか、温泉に何度も入って湯治の気分に浸るかをするべきである。そんなことをするためであれば、ここは最高のロケーションである。携帯の電波もドコモなら辛うじてつながるが、ソフトバンクならまず圏外の場所だ。誰からも干渉されずに、ボーっとしたいというのであれば、この旅館に詰まるべきだろう。

いま、旅館と書いたのだが、旅館というにはもっと豪華な感じがする場所だとおもう。建物自体は昭和50年から使われているといわれているのだが、そんな年期が入っているようには建物から見られなかった。去年やその前くらいに建てたのではないか?というくらいの新鮮さが建物すべての中に感じられた。この旅館は、もともと保有していた山から材木を卸す業者だったところ、山道の途中でドライブインを作ったことから温泉旅館に発展した場所である。それも「日本の秘湯を守る会」に属している、ちょっといい場所なのだ。だいたい自ら「秘湯」なんていっていること自体が恐れ多い気もするのだが、ここは確かに秘湯だと考えてもいいと思う。相当の山の中だからだ。しかし、道路があるので車があれば問題なく来ることは可能だ。車で来ない人は、路線バスの湯西川温泉の終点バス停に到着したら旅館に電話をして、迎えに来させれば良い。できれば、バスに乗る前に、たとえば、湯西川温泉駅を出発する前くらいに旅館に電話して、何時のバスで到着するからといえば、それにあわせて迎えが着てくれるのだ。親切にもワゴン車で迎えに来てくれるから心配ない。

部屋数はそんなに多くない。多くないから細かいところまで気配りが行き届いているといえるだろう。トイレとお風呂がついていない部屋と、トイレと室内浴室がついているタイプの2種類に大きく分けられる。また、団体旅行者でも泊まれるように、本館と離れという二パターンの棟があるため、やかましい団体旅行者のそばで泊まりたくないというひとたちにとってはとてもありがたいところである。

いつもだいたい決まっている部屋に通されるのだが、今回も同じ本館二階の一番端の部屋に通された。ここの部屋は10畳くらいの部屋なので、のんびり泊まることができる。ただし、ここには高速LAN回線も引いていなければ、先端的なものは何もない。あくまでもここは旅館であり、秘境の地なのである。
部屋に入ると、典型的な旅館のとおりに、部屋の真ん中に大きな御膳があり、それに座椅子がある。お膳の上には、ウェルカムドリンクならぬ、茶菓子が用意されているところなんかは、もう典型的なおもてなしである。ご飯は決まった時間に、すべての客と一緒になって食べる。それも各人に囲炉裏があるという趣向だから、おもしろい。こういう旅館は外国人であれば、もっと楽しめると思うのだが、できれば来てほしくない。こういうところこそ日本人だけで楽しみたいものである。料理は山の幸がメインで、まぐろのような海にしか採れないようなものはまず出さないところもいい。定型的な平家落ち武者村の料理を提供するのが目的であるところがぶれていないのがいい。事前に言っていれば、コース料理を提供してくれることもできるので、鹿の肉や熊の肉を食べたいといえば、事前予約をしておきたい。その日にいっても無理である。

1日目の夕食2日目の朝食2日目の夕食3日目の朝食

それと、食べるときには女将による挨拶がある。これはここの慣わしなのだろう。おもてなしという意味では、ぜひ女将がどういうひとなのかは知っておきたいところだろう。残念ながら大女将は、体の体調が悪く表にはなかなか出てこない。いまは若女将が仕切っている。以前からここにお世話になっているので、毎度ここにお邪魔する際に、大女将のことが気になって仕方がなかったのだが、今回は運良く、大女将の元気な姿を見ることができた。どうやら、以前より体調がよくなって、元来の「お客様の前に立ちたい」という気持ちだけはどうしても捨てきれず、朝の少しの時間だけお土産屋に立つことにしているのだそうだ。しばらく姿を見なかったので、てっきり「もう逝ってしまったかぁ・・・」と勝手に思っていたのだが、それは大きな間違いだった。人里離れたところでのんびりするなら、絶対ここだ。

平の高房
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住所:栃木県日光市湯西川1483
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