2012/06/16

まろやかタイ読本

タイに関する本は、もうくだらないものもたくさんある。観光ガイドという目線で読むのではなく、タイ全体の怪しさやタイ文化の暗黒な部分を穿り出して、それを面白おかしく書いている本は、脳みそゼロにしても読めるので楽しくなる。それが、もうアングラ世界でひっちゃかめっちゃか旅行記を書かせたら、もうこの人のような人は他には居ないと思うのがクーロン黒沢だろう。

クーロン黒沢が共著とはいえ書いているということは、もう中身がめちゃくちゃなんだろうというのは想像できた。たぶん、タイに関するめちゃくちゃな部分を、読者の期待通りにめちゃくちゃぶりを表現してくれるし、実際にタイの街並みの裏にいくとそんなのばっかりだと宣言しているところがすばらしい。期待通り、またはそれ以上の内容で書かれているから、即こんなめちゃくちゃな街に行ってみて、本当にそんなやつらがいるのか?本当にそんな環境なのか?というのを確かめたくなってしまいたくなるような1冊である。

「仏都バンコクを歩く」はバンコクに特化した内容だが、こちらの本はタイ全国を網羅したもの。だから、変なものや変わった習慣などなどは、タイ独自のオンパレードのために1冊では収まらないくらいの馬鹿馬鹿しさは満載だ。タイも半島のほうからバンコクのような都市、それから北部のほうと、まったく文化が異なっているので、そこからB級ニュースを探すのは簡単だが、ありすぎて困ったことだろう。その中から馬鹿馬鹿しさを選びに選んだのか、それとも分かりやすいものを集めたのかどうかは不明だが、まぁ、最初からこの本の中身を見るとぶっ飛びすぎているし、そんな変な奴らばっかりあったら、国としてまともにならないだろうと思ってしまったりする。が、そこはタイ人のことを面白く書いているだけであって、そんな人たちしかタイには居ないという錯覚を起こしてしまうような本だ。

決してガイドブックには書かれることが無いことばかりなので、観ることがすべて「へぇー」と言うようなことばかり。そして、内容がびっくりするようなものばかりだが、ジャンル別に紹介されているので、いちおう頭の整理ができそうだ。笑えるのは顔面歌舞伎旅行会社代理店の「アンナ・トラベル」の章だろう。まぁ、これが売れない新宿二丁目のオネエが旅行代理店をやっているような感じのところで、本当にそんなものがまともに商売をやっているのか?と思えるような内容だ。詳しくは書かないが、こんな旅行代理店には絶対頼みたくないよーと絶対感じるだろう。

いろいろな紹介のなかに、いくつか挿絵のように、体験レポートが書かれている。ここのレポートがどれもこれも爆笑物。病院に関する体験レポートのところはヒドイ医者ばっかりとうんざりしたくなるほどだ。どこまで本当のことなのかかなり???になるところもあるのだが、たぶんほとんど本当の事。ウソのようなことが本当にあるのがタイなのだろう。

バンコクの放送・通信の分野に付いては結構興味を持った。前にもいっておもったのだが、誘拐されたひとの顔写真が街のあちこちに貼られているのもびっくりだが、犯人が逮捕されているにも関わらず、その犯人に対して、警察に捕まりながらインタビューされているのとか、死体の写真は当然写っているし、普通にテレビ放送もされるし、ボカシが無い。日本だったら見せてはいけないと、どこかのPTAの馬鹿が文句を言ってくるため、放送自制してしまうようなこともあるだろうが、そんなのはタイには無い。全部ありのまま伝えるのがメディアであるという、メディアとしてはすごく当然のことがここでは行われているので、素直に読めた。日本の場合は、記者クラブが主導になってインタビューなどを放送しているが、そんなのは馬鹿馬鹿しい。

タイに対して息抜きとして読むにはちょうど良い本だ。ただし、電車の中で読んでいたら、きっと「あいつ何を読んでいるんだ?」というような顔つきで見られても仕方が無い。しかし、決してタイのお姉ちゃん情報は出てこないし、もちろんセックス産業の情報については全く出てこないので、そういうのは「裏情報」のようなサイトか雑誌、または本を読んだらいいとおもう。

まろやかタイ読本
著者:皿井 タレー、クーロン黒沢
出版社: 太田出版
発売日: 2004/2/29


仏都バンコクを歩く(書籍)

バンコクに行く前に、バンコクに関する情報をできるだけ仕入れておこうと思っていたところ、いくつかの参考になる本があったので早速買ってみた。もちろん、ブックオフで。あそこで何を観ろ、あそこで何を食えというような、一般的なガイドブックは、そんなの地球の歩き方だけ見ればいいわけだし、バンコクナビのようなサイトを見ればいいこともある。バンコクナビはバンコク全体を知っている上で、ポイント的に調べようと思う場合には有効だと思う。姉妹サイトの台北ナビにアクセスする場合には、すでに台北のことをある程度知っている状態では使いやすいサイトでも、全く台北の地理感覚が無い場合には、さっぱりわからないということになるのと同じだ。

ガイドブックよりもバンコク全体の町のことをレポートしている本を探していたところ、「仏都バンコクを歩く」という読み物中心とした内容が書かれている本を見つけた。何度もバンコクを旅している著者が、バンコクの歴史から街に様子を、地域ごとにわけて書かれたものなので、全体的なバンコクの様子を知るためには良本だと思った。もちろん、著者と同じように何度もバンコクに行ったことがある人でも、たぶんバンコクという街はどのように形成されていったのかと言う点だけを読み解くとすると楽しいことだろうが、バンコクに行く多くの観光客は、夜の世界に注意を払っていると思っているので、そういう目的でバンコクに来ている人には全くといっていいほどつまらない本になるだろう。

「フィレンツェ 旅の雑学ノート」や「ウィーン 旅の雑学ノート」を詳細に記載した山口俊明氏のような詳細の知識と着目点がバンコク版にも反映されているかというと正直そうではない。山口俊明氏は視点が相当細かいし、単なる街歩きをしているだけだったら、誰もが見向きもされないようなポイントも詳細に書かれているのだが、この書物にはそこまでは無い。もっとバンコク初心者のひとでも、バンコクはとても魅力があるところだし、見所はたくさんあるからじっくりみてねーというような暗黙のメッセージが入っているような書き方だ。

エリアごとに分けられて、その内部のエリアを観光客目線で主要の通りと有名名所を取り上げて感想と予備知識を記載されているというものが、この本の記載内容。決してバンコクの郊外にまで足を伸ばして、大バンコク圏で考えているというわけじゃなく、本当にバンコク市内だけのことを記載している。予備知識のところをもっと歴史やタイの人に文化的なところの面から記載してほしかったところはあるが、筆者目線で書かれているのでそんなに脳みそが必要な感じで読むわけじゃないから読みやすいし、さらに暗黒の世界みたいなアナーキーさがこの本からは見えてこないので、もっと巣窟みたいなところや、裏の顔をみたいというようなことを期待している人には、もう1つ踏み込んでほしいと感じることになるだろう。地球の歩き方のようなガイドではページの関係上そんあに細かく内容を記載することができないが、その代わりにこの本が記載したようなものだと思えば良いだろう。

内容の記載については、まぁ、参考になるかなという程度だが、見て欲しいところは白黒とはいえ、写真の撮り方が素晴らしいと言うことだろう。こういう着目点で写真を撮ると、バンコクの街並みは変なものばかりが転がっている不思議タウンじゃないだろうか?と思える。別の目線でこの写真をみると、くだらないものをたくさん撮っているなーということがよくわかる。

ただ、このひと、本当にバンコクが好きなんだなーというのはよくわかる。単純に何度も来ているだけなら、それは単にバンコク好きのおっさんでしかない。が、文章を読むとなんでバンコクの魅力がみんなはわかんないのかなと言わんばかりの書き方はせず、それは行間を読んで感じるだけしかないが、バンコクをよく知らない人に対しても偏見な目線でバンコクを見ないで素直にバンコクを楽しんで欲しいし、その手伝いを本に情報を記載することで助けになれればということを意識して書いているような気がする。でも、自分がバンコクでよくしてもらっていることをアピールしているようにも見えて、少し不愉快な感じもするのだが、それはたぶん著者のキャラクターによるところがあるのだろう。

バンコク楽しい旅行記というようなものではなく、バンコクのガイドブックとして読むにはちょうど良い分量なので、是非一読するのも良いと思う。ただ、こういう本は、変化が激しいバンコクのような都会では、最新の情報が載っているわけじゃないので注意。街並みもこの本が書かれたときとは日数が経つにつれて、全く違う顔になっていることは当然あるだろう。

仏都バンコクを歩く
著者: 桑野 淳一
出版社: 彩流社
発売日: 2007/06

B-CASカード

ネットニュースのGigazineに掲載されたから、あっという間にネット上を拡散して広がったのが、B-CASカードで有料放送を見放題にする手順というもの。方法は簡単でカードリーダとソフトがあれば、なんの知識もなくできちゃうというから、そりゃぁ、誰でもやるだろうなと思った。ただ、難点はカードリーダがそう簡単に手に入るものではないということだ。

ソフト自体はブームに則ってあっというまにネット上に広まった。なので、最初に配布をした人から、子・孫・曾孫とサイト分裂していって、そのあと、実際にいろいろなカードで実験してみて「書き換えができた」「書き換えができない」という情報まで出回ることになったのはすごかった。ネットの力によって、不特定多数による分散実験が行われたと言うことになる。なので、後発として、この書き換えの動きに入った人は、それらの情報を単に実行するだけでただで見られるという環境が出来上がってしまうということだ。

ソフトはハードのことを書く前に、今回のB-CASの話が出たときに、有料放送に対する放送形態が自分が考えていたのと実際では全く異なっているんでは無いだろうかということを改めて知った。これまで、WOWOWみたいな有料放送というのは、もともとが実放送コンテンツに放送局側がスクランブルをかけて、それを電波に乗せて一般家庭まで飛ばしているのかと思った。そして、そのスクランブル放送を、契約することによってチューナーなりで解読をしてテレビに観られるという方針を採っているのかと思っていたのだ。ところが実際には違った。本当のところは、放送局からは普通に地上波放送と同じようにテレビで観られる放送コンテンツとして搬送されるが、それをテレビ側でスクランブルをかけているのがB-CASで、そのB-CAS自体の情報を書き換えることでテレビでみらえるという放送形式だったのだ。となると、今回のB-CASですべてのチャンネルをスクランブルが既に有効になっていて、それを2038年まで使えるというようなやり方をすれば、すべての有料放送が観れちゃうというのはすごく納得できた。たぶん、この放送形式を採用しているのは放送局側が投資コストを安く済ませることが原因なんだと思う。放送局からは家庭ごとに放送形式を替えてできるわけがない。電波とはそういうものだ。なので1種類の放送形式でしか送られないので、有料会員と無料会員の違いを端末側で識別するしかないのである。

B-CASはB-CAS株式会社が運営しているカード会社である。テレビがデジタル放送になって、それも地上波放送になったときも、コンテンツ管理ができるからという理由でB-CASを運営しているようだが、実際には有料放送と無料放送の管理をカードにやらせているだけで、左団扇でふんぞり返ってテレビが売れるたびに入ってくるマージンで儲けている会社である。

さて、ソフトというのは、出回っているのが2種類。東芝製のカード用と松下製のカード用とで対応の仕方が異なるのだが、それも出回っているソフトも誰もが簡単にできてしまうくらい洗練しているもの。要は、B-CASのデータを書き換えちゃうだけなのである。おそらく普通の場合はWOWOWのような有料放送が、会員申し込みを一般ユーザのほうからあった場合、代理店や担当者がB-CASのカードを有効にするような設定変更をしているんだろう。それを一般ユーザが簡単にできちゃうということのやり方が出回っているのではないかと思った。だいたいB-CASカード自体に、松下製と東芝製の2種類しかないと言うこと自体が笑ったし、このB-CASの仕組みはどうやら日本だけのことなのだなということはこの時点で分かった。ソフトの使い方については、ここでは言及しない。他のサイトでも記載されているのだろうから、そちらを参照すれば良いだろうし、雑誌・ラジオライフには随分前から記載されていたような気がする。

それからハードだが、これはカードが読めるハードでなければならない。手近なハードというと、最近はe-taxでの申請が流行っているため、個別認証用のカードリーダというのが量販店で売られている。これを使って、ICチップのところに埋め込まれているデータを書き換えちゃうというのがやりかただ。検索をかけると、NTT Communications社のカードリーダがたくさん出てくるのだが、そのOEM供給元になっているSCM Microsystems社性のカードリーダが一番安いので、お買い得だと思う。単なるICチップの情報を読み取るだけのものなので作りは簡単だ。

USB接続のカードリーダにB-CASのカードを入れてしまって、あとはソフトで設定操作内容に書かれている通りにやってしまえば、それで終了。あとは、BSだろうがCSだろうが、電波を受信できる環境であれば簡単に見られる情報ができてしまう。

ただし、ここからは想像の世界なのだが、最近のテレビはネットに繋がる環境があるものが多い。テレビでネットサーフィンをしたり、テレビがテレビ電話になったりするような環境もあるくらいだ。つまり、テレビから外部に対してデータ送信できてしまう環境が可能なのである。これは言い換えれば、B-CASのデータを書き換えたことが、テレビから勝手にWOWOWのような有料サイトに定期的にポーリング発信しており、不正に観ているところがあれば、テレビIDかB-CASのIDからユーザを特定しちゃうだろうとおもう。たしか、B-CASのカードはテレビを観るときにユーザ登録をしていたと思う。そうすると、IDから簡単に情報が抜けることができるというわけである。インチキでWOWOWなんかを観ているようなひとは、双方向の環境は作らないほうが良いだろう。

B-CASカードで、ソフトを使っても見られる環境でできないような古いタイプのカードを持っている人はどうしているんだろう?もしかしたら、電化製品の売り場に行って、サンプル展示しているテレビに付いているB-CASカードと使えないB-CASカードを勝手に取り替えて、新品の書き換え可能のB-CASカードをゲットしているひともいるんではないだろうか?それは犯罪だとは思うのだが、ただ、どういう犯罪なのか不明。物を勝手に取り替えているだけなのだから。

会社の隣りの先輩がカードリーダを知り合いから借りてきて早速挑戦したようだ。マンションではケーブル放送が入っているために、有料放送はスクランブルで表示はできていただけだったが、ソフトを使って書き換えたら全部丸見えになってしまって、もう家から出なくても良いやと言っていた。ただ、面白いことを言っていたのだが、放送が見えない環境であった場合には、「観れたら良いのになー」と思っていたのに、いざ全部丸見えになってしまうと、それほどテレビに執着しなくなるとのこと。MTVのようなテレビチャンネルは、単なるBGMにしているだけでも効果はあるし、新聞のテレビ欄で昔はこれがみられたらとおもって憤慨していたのに、いまではすっかり新聞のテレビ欄は全く観なくなったとまで言っていた。

今回のこのタダで丸見えになる仕組みが解放されたことは一般ユーザに知られるのはgigazineがまず大きく関わっているが、このとき、一般新聞には事件として掲載されることになった。しかし、テレビの報道番組やワイドショーでは全く取り扱われることがなかったのが面白い。それはそのとおりで、ただでさえ地上波放送を生で観ないで全部録画し、CMをすっ飛ばしてみている視聴者が結構大半になってしまった状態に、有料放送の放送方式を覆すようなことを自分たちで放送するわけが無い。テレビ放送というのは、それだけ影響力があるというものだ。わたしもわたしもと、その辺の素人ばばぁが騒ぎ始めたら、有料コンテンツとしてテレビ放送をしている仕組み自体が存在意義がなくなり、放送局の経営に関わってくるからである。とはいっても、いま有料で払っている人が払わなくなるということはどこまであるだろうか?新規で有料会員が増えなくなるだけで、いつまでも右肩上がりで加入するようなDFCを廻すくだらない経営計画をしているんだったら馬鹿だなと思うだけである。

なお、今回の事件によって一番笑えるのは、これを阻止するための方法が無いことだ。ソフトがネット上に出回ってしまったのでは、必死になってサイトを削除するように中国共産党の特殊部隊所属のGFWの制御なみにしらみつぶしにネット上々を徘徊するだろう。しかし、消しても消しても、一度ネット上に出てしまった情報は誰かがコピーをするわけで、終わらないもぐらたたきゲームをしているようなものである。また、ハードのほうを潰そうとしたとしても、カードリーダの場合には、一般的なICカードであるために、e-taxだけとか、社員証用とか、そういう特化的にしかカードリーダが使えないということはまずできない。じゃ、問題のB-CASカードを全部回収して、新しいカードを配布するという網羅的行動もできなくはない。これをやるとしても、一体、日本にはテレビが何台売られていると思うかを考えれば、まずは行動ができない。すでに1000万台単位でB-CAS対応のテレビが世の中に出ているのである。ということは、この1000万台分のカードを作って、配布してというようなことを短期でやることはまず無理だ。法律を印籠のように脅しをしたとしても、集団でやられたら、日本中から人がいなくなってしまい、ほとんどの人が牢屋暮らしになってしまう。それも現実的ではない。さらに言うと、電波でB-CASカードを定期的に変更していたのを見つけるような仕組みができないかということもあるが、それは先述の通りにB-CASカードを書き換えても、さらに上書きされたら意味が無い。書き換えされたことは、先述の通り、放送局側に情報が戻るためのネット接続がなければ全く知られることがないからである。長く書いたら、要は、今回の問題は対応策が無いので、無理なのだ。

もう、B-CASという仕組みがダメなんじゃないだろうか?という時期に来ていると思う。B-CASを潰すと天下り先がなくなるので、総務省は潰せないという痛いところもある。

GIGAZINEの記事
http://gigazine.net/news/20120518-b-cas-card/

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IKEA

実は引越しを考えるときまでIKEAには全く行ったことがなかった。ちまたで騒いでいるような期待を自分には全くなかったからである。たぶん、感覚としては、ディズニーランド好きな人がディズニー好きをアピールするが、それに対して冷静沈着に「ふーん」と軽く受け流していたのと同じ感覚で「今週はIKEAに行ってみたよ」という話を聞くたびに、「あっ、そう?」としか思っていなかったからである。

IKEAに行ってみようかなとおもったのは、家具についてちょっと市場調査をしてみたいと思ったからである。最近流行の北欧系の家具を調べてみるというのもおもしろいかなとは思っていた。デザインとしてはいわゆる北欧系はシンプルで機能的なのだとは思うのだが、あまりにも味気ないような気がして、すっきり感な部屋にしたいひとならいいかもしれないが、そんなつまらない部屋は落ち着かないので、自分としては、成金が悪趣味のように置いている金銀ギラギラした南欧系の家具まではいかないまでも、人間味が感じられる家具を新しいところに置きたかったのである。とはいっても、もしかしたら、北欧系のデザインも見慣れると意外に自分が気に入るかもしれないと思っていたからというのが1つ目の理由。

もう1つ理由はある。それは家具といっても、いろいろあり、例えばソファというジャンルを1つとったとしても、ソファの形や使い方というのはいろいろあるとおもうが、そのソファにはどういう形式があるのかというのを机上でしかこれまでは知らないので、実際に総合家具サイトに行って見てみて、自分が買ってみたい想像しているものと実際に照らし合わせてみたいと思いたかったからだ。

IKEAにいくとしたら、うちから行くとすると港北にいくのが一番近いのだが、店舗としてはもしかしたら、習志野のほうが大きいんじゃないのかなとは思っていた。でも実際に港北のIKEAに行って見て驚いた。すごい広いし、すごい混雑している。なぜ、こんなに混雑しているのだ?と思うくらい混んでいるのである。ただで、遊園地並みにいろいろ物にさわれたりするから、子供をつれてきている家族がたくさんいるというのがその理由だろう。そして、IKEAの中でもご飯が食べられるので、疲れたらここで休憩して、さらにまた店内で遊んでいれば良いと思うのだ。だが、そこまで遊べるものってなにがあるのか、本当に聞きたい。

例えば、ベッドのコーナーであれば、陳列しているのは見世物だから、そこに勝手に乗って寝る格好をするのもよしなのだが、そういう実際にものに触って、座って、寝て、操作してみることの楽しさが何度もここに来ようとし、無料で楽しめる場所だから、金を使わずにいれる貧乏人のオアシスみたいなところだからなのだろうか?

IKEAに行ってみて再確認できたのは、自分には北欧系のデザインは合わないということと、日本式に変えたしまった家具類は、自分が欲しいと思っていたサイズに合っていないということだった。例えば、ソファ1つをとったとしても、リビングに置くソファも、ずいぶん座るところが地面に近いものばっかりで、そんなのばっかりなの?というので厭きれた。いちおうIKEAには実物を見ることができるほか、店内で参考にできるパンフレットも用意されているので、御飯を食べながらこれもみようか?とあとで確認することもできるのだが、確認するまでもなく、どれもこれも中途半端に思えた。

一番感じたことは、「どれもこれも安っぽく見える」ということ。価格は本当に安いのだが、安いだけあって見た目が本当に貧乏臭い作品ばかりである。家具ってずっと使うものなので、1年だけで終わりということはない。だから多少高くても良さそうなものなら買ってもいいかとおもうが、最初から見た目が安っぽいものだと、絶対途中で厭きると思うし、所詮安いだけと気持ちが貧乏くさくなると思うからだ。

もうたぶんIKEAには行かないだろう。あそこには用が無い。

ちなみに、港北店にいくには、田園調布駅と新横浜駅から無料のバスが出ているので、それに乗れば、20分くらいで到着できる。しかし、田園調布行きのIKEA発のバスに限っていえば、いつのバスに乗るつもりかというのを、IKEAに到着したときに予約しなければ乗れない。これはおそらく帰りのバスが混雑するからということもあるのだろうが、それだけじゃない。途中に第三京浜の高速道路を通らないといけないため、バスは全員座っていないとだめ。立ち客がいるバスは高速道路を走れないからである。

IKEA
URL : http://www.ikea.com/jp/ja/

IKEA港北
URL : http://www.ikea.com/jp/ja/store/kohoku
Open : 月曜日~金曜日: 10:00~21:00
    土・日・祝日: 9:00~21:00
バス : 田園調布発の時刻表はこちら
      新横浜駅発の時刻表はこちら

IDC大塚家具

引越しを考えていたので、新しい家に入れる家具のことを考えていた。現在はリビングルームでは、地べたに座るようにくつろいでいるのだが、親もそろそろ足腰が悪くなってきているので、床に直接座るより、椅子に座るほうが楽だという歳になってきたようである。そこで最低限必要なものは、ソファまたはダイニングテーブルになるかと思って、いろいろなところで家具類を調べてみようかと思い始めたのだ。

こういう家具の場合、最近はカタログで調べるというよりも、やっぱり直接モノに触れて、実際の感じがどのようになるかを知ることができるほうが、買う決心が付きやすいとおもうし、高い買い物をするような家具の場合には、買ったあとに後悔するよりは良いからである。実際にモノを触れるところとしては、現在は大塚家具が一番大きな店舗だとおもう。最近では、郊外型の店舗としてIKEAのような店舗も増えてきたが、オールジャンルのベンダーフリーのような商売をしているようなところだとすると、やっぱり大塚家具にはかなわないだろうと思う。

新宿東口にある大塚家具のショールームはよく冷やかし半分に見に行ったことがあるので、どういう商品が展示されているのかというのは見たことがあるし、参考になった。元々三越新宿店の空き建物をそのま流用しているので、全部大塚家具のものだとはいえども、どうしても家具の展示となるとかなりの広スペースを必要となってくる。したがって、広スペースであるにもかかわらず、意外と展示物の量が少ないと見えるのは、水平面にたくさん展開し、垂直面に品物の展示ができない宿命だからかもしれない。

そこで新宿東口店よりも大きなスペースを確保しているショールームのほうにいって、さらになる参考物件を見られるというのが必要になってくる。晴海にある大塚家具のショールームはとても大きく、ここは1日いても見て廻れないんじゃないのか?というくらいの広さがあるところだ。展示物のうち見学する物件を絞っておかないと、あまりにも広すぎるため、見たいものも見れなくなるというものである。有明国際展示場の前に聳え立つビルの3階と4階フロアが大塚家具のエリアである。

まず、来店すると、来店者メンバーの登録から始まる。次回以降、来店した場合、登録メンバから対応者が決まり、固定の相談役を常に特定のお客さんに就けるというスタイルを持っている。どのスタッフもほぼ全部の製品について精通しているため、誰が何担当ということは全くないところがすごい。家電量販店に行った場合には、専門の売り場スタッフを捕まえないと、違うエリアのスタッフを捕まえて説明を聞いたとしてもちんぷんかんぷんという顔をされるのがオチであるが、ここ大塚家具のスタッフは、客から「こんなのが見たい」というどんな要求に対しても、速攻で売り場と説明ができる体制が出来ているのは、客目線で言うと本当にすばらしいと思う。自分はよくわからないので担当者を呼んできますという、その場での盥回しは、カスタマーサービスとしては駄目だからである。教育制度が徹底しているんだろう。

自分たちについてくれた担当者のかたも、いろいろなジャンルのことを問い合わせをしても答えてくれるし、トータルコーディネートとして家具全体を考えてくれるので、それはこれには合わないと思いますよというようなアドバイスをしてくれるところが助かる。そして、大きな会場にいると、大きな物品であっても対比スケールで小さく見えちゃったりするのだが、そんなものをホイホイと買ったときに、いざ家に入れようとしたら入らなかったというオチになってしまうと泣きを見る。大塚家具のアドバイザーは、部屋の間取りと大きさについて説明をすれば、それにあわせたかたちでコーディネートし、いろいろなアドバイスをしてくれるところが大変有効だった。

ここでは、まず、ダイニングもできるソファを購入しようと考えていた。親としては、リビング機能としてのソファと、ダイニングができるテーブルセットを置けばいいと思っていたらしいのだが、それだと、無駄なスペース利用にもなるし、そんなに広いスペースを取れることもないと思っていたので、最初から個人的には却下していた。事前に、バンコク旅行をした際に、ラウンジで休憩をしている際には、ご飯が食べるにはちょうどいい高さのテーブルと、それに付随するソファをよく利用していたので、「イメージとしてはあのホテルで使っていたソファみたいなもの」というのを大塚家具に行く前に伝えられていたことは大きかったと思う。うちみたいな特殊要望にも大塚家具のようなところでは製品ラインナップを用意していたようで、ソファとテーブルを探すことにした。

もう1つソファに関しては条件が個人的にはあった。日本の一般的なソファは、本当にリラックスして座れるようになっているためなのかもしれないが、座る位置の高さが、意外に低い。40cm以下なのである。そうなると、座るたびに膝に負担がかかり、足が悪い人にとっては、毎回屈伸をしているのと同じ苦痛を味合わなければならなくなるのは非常につらいことだ。だから、できれば、洋式ソファのように、座るところの位置が高いところが望ましいと思っていた。もう1つ贅沢なことをいえば、背もたれの高さも高いものが望ましい。ダイニング時のときではなく、リラックスしているときの姿勢として、頭くらいまで背もたれがあったほうが実は楽に座れるのである。ソファとしてだけの機能のソファでは、結構背もたれが高いものはあるのだが、ダイニングも利用できるタイプのソファだと、これはなかなか難しい。背もたれかダイニングのどちらが重要かというと、ダイニングのほうに軍配があがるので、この際には背もたれを却下した。こういう条件を大塚家具にの人に伝えると、速攻でその売り場のほうへ連れて行ってくれて、「これとこのタイプがお客様のご要望のタイプなのではないかと」と説明をしてくれた。

テーブルやソファの対面に置く椅子についても、こちらのわがままな要望にも全部聞いてくれて、最終的には、ソファとテーブルを一緒に並べて使った感じがどうなるのかというのを実器で実演してくれたのは非常にありがたかった。部屋に置いて実際に使った感じが再現できるのはうれしいことである。

後日に、不足している物品として、追加の本棚とテーブルの下に敷くカーペットを見に行ってみた。この時に応対してくれたひとも、既にユーザ登録をしているために、前回と同じ担当者の人が対応してくれた。こちらが前回何を買ったのかというのを覚えていてくれるので、そのまま追加の要望をお知らせしたときには、情報を持っているので製品を選びやすいという状態になっている。顧客に対してスペシャリストであるプロ意識が高いからなんだろうと思う。本棚は前回のときにめぼしがついていたのですんなり終わったが、カーペットは揉めた。材質と値段と大きさで、各方面から意見が白熱したからである。結局はテーブルの下にひくカーペットで、さわり心地がよく、毛が比較的厚く、大きさもちょうどいいものを購入することにした。

契約行為のときには、来訪者は契約エリアのところに通されて、お茶でも飲みながら契約行為が始まる。この契約行為をしているときに、周りをみたら、いろいろな年代の人が契約をしに来ていることがわかった。千差万別である。もちろん、ここではカード払いもできるので、大きな買い物をしたときにカードでしか払えませんと、ドラえもんもびっくりするような間違ったドラえもんが増えてきそうである。

大塚家具のようなところでモノを買ったとき、同一の物品であればそれが高いのか安いのかという相場はわからないのがつらい。ただ、大塚家具が、新宿の電化製品量販店のように、お客側は実物を見て・触って・感じるためだけの所在であり、実際にここで買うよりも、アマゾンあたりで買ったほうが安いと考えてしまうのか、それとも、お客側が初めて来店をしたき、ここで買わないと絶対駄目という感覚で来るかは、実際にモノに触って説明をしている際に、どこまでこの担当者は自分のことをよく考えているのかという誠意が見えているかどうかに掛かっているだろう。大塚家具としては、できれば家電量販店のようなオチにならないようにしっかりと顧客サポートをしていくという自負はあるようだ。だから、最終的に価格が高くなってもそれは仕方ないのかもしれない。その分、文句を言う機会があった場合には、文句に対して素直に対応してくれるというのも大塚家具のいい点なのかもしれない。

IDC大塚家具・有明本社ショールーム
http://www.idc-otsuka.jp/showroom/ariake/ariake.html
住所:東京都江東区有明3-6-11 東京ファッションタウンビル東館
TEL:03-5530-5555
営業時間:10:30~19:00