2014/03/08

花粉症と風邪

花粉症の季節が近づいてくると、毎年憂鬱になるのだが、ここ数年、耳鼻科に行って花粉症に効く薬を貰っていることが多い。それまでは全く無視して、花粉症の季節がただただ通り過ぎるのを待っていただけだったのだが、さすがに鼻水が出まくり、ティッシュで鼻をかんでいると鼻が痛くなるので、どうしても避けたくなってきたからだ。だから、生活するのが大変楽になったので大助かりである。

いつも貰っているのはアレグラ。もう今では普通に薬局で買えるものではあるのだが、なぜか薬局よりも耳鼻科でもらったほうが効き目がいいように感じてしまう。このアレグラを朝晩に飲むだけで、花粉症の季節は普通にマスクをしているだけで、特にくしゃみが留まらないとか、目が痒くなるとか、鼻水が止まらないとか、そういう花粉症特有の症状が激減になくなったのは嬉しいところだ。

ところが、花粉症の季節と同じくらいの時期にやってくるもう1つの厄介な病気がある。インフルエンザにはならなくても肺炎に発展する可能性がある風邪が毎年流行することだ。今年も会社でゲホゲホしているひとたちが結構居て、そのうち会社で風邪をうつされるんだろうなと思っていたら、やっぱりどこかでうつされた。今回はその風邪のひきかたが、「喉からやられる」型に合致してしまったのだ。

喉が最初はイガイガするなぁーとおもっていたところ、だんだん寝ている間にだけ咳がとまらなくなるような事象に陥り、起きていると平気だったりする。そのうち声も出なくなってきて、会社も休みがちになってしまった。これはちょっとただ事ではないなーとおもったので、医者に行って薬を貰った。もちろん医者では、口を開けてのどの奥を見てもらうと、めちゃくちゃ腫れあがっているような状態になっているらしい。

医者からもらった薬は、以下の通り。

・カフコデN配合剤(熱を下げ、痛みや咳を和らげる)
・二フラン錠75mg(熱を下げ、炎症を抑える):一般名はプラノプロフェン錠
・パセトシンカプセル250(細菌を殺し、感染症を治す作用あり)

これを3日間くらい飲んでいたところ、ようやく声も出るようになったし、寝ているときの咳も止まり、咳のために寝不足になっていた状態から開放された。来年も同じようなことが起こるのかとおもうと、2月から年度末辺りにかけては本当に気をつけたいところだ。

宿坊に泊まる(書籍)

いつかは高野山に行ってみたいなと思っていたのだが、高野山というと、寺もそうなのだが、寺に泊まるということも行く楽しみの1つになっていたりするということを聞いた。寺に泊まるって、どういうこと?と実はあんまりよくわかっていなかったのだが、どうやら高野山の本山を拝むだけじゃなく、山全体が霊験あらたかな場所だから、朝から晩まで高野山の霊験を受けたいという人が結構いるみたいで、暫定的な僧侶のような生活をして、下界とは一切連絡を遮断し、精進料理を食べ、起きたらお経を上げ、座禅をして身を清め、中には滝行にいったりということも行うことで、少しでも高野山に寺を持ってきた空海の思いを知ろうとする人が多いという。

寺に暫定的ながら僧侶と同じような修行を行うことによって、身を鎮めるという意味では良い体験ができるこのような施設を宿坊という。宿坊ってどういうところにあるんだろう?という素朴な疑問がわいてくるのは当然なのだが、これが調べてみると、実はいろいろなところに宿坊というのは存在していることが分かった。

簡単ながら宿坊ごとの特徴と、カラー写真が掲載されていることで分かりやすいのは、その名もズバリ「宿坊に泊まる」という名前の単行本だ。

宿坊は日本全国あらゆる場所に存在することが分かる。そして、精進料理と座禅や写経を行うということも結構一般的にあることがわかる。中にはちょっとした日本旅館のようにすばらしい庭園を持っているところもあるので、それを見るために宿として開放しているところもあれば、一緒に精進料理を作るというクッキングツアーみたいなものもあったりするので、泊まるところに特徴があるというのもわかる。いずれにしても、宿坊に泊まっている間に、あらゆる手段を通して、仏の教えや禅の有効性などのことを知る機会と体験をするということを意味しているようだ。

高野山にも30軒くらいの宿坊があることは知られているのだが、その中で数軒だけこの本では紹介がある。ただ、この本が発行されたのがもう10年も前のことなので、できれば最新版が発刊してほしいところだ。なにしろ、高野山を初め、各種古寺への参拝というのはここ数年流行傾向になっているので、寺もかなり趣向が変わってきて、いろいろ観光客に合わせて寺自体が変わってきているのもあるから、女性観光客も注目しているところといえよう。

紹介されているのは宿坊研究会という宿坊ばっかりに泊まっている人たちがまとめている本なので、どこどこの宿坊ではこんな楽しいことがあるというのを、泊まっている立場から教えてくれるので便利だ。意外に宿坊本体がウェブサイトとして紹介しているところは少ないので、こういう特殊のファンによる参考本は面白く読むことができるので是非読んでみていただきたいと思う。

この本をみて、ますます高野山の宿坊に一度は泊まってみたいと思った。

<宿坊に泊まる>
著者:宿坊研究会
出版社: 小学館
発売日: 2003/11

TRANSIT(トランジット)22号 美しきスペイン

雑誌TRANSITをここしばらくよく買うようにしている。決して安いものじゃないのだが、特集として組まれている内容が、時には国だったり、時にはエリアだったりするのだが、その注目ポイントがこれまでよくある「地域あるある」本に書かれているものとは、ちょっと異なって、多元的文化論で論じているのはもちろんだが、豊富なカラー写真で掲載されているので、白黒写真だと何が映っているのか分からないというのがオチのところを、文章で分かりにくい表現を映像で補っているところが分かりやすい。カラー写真だからといっても、良い紙を使っているわけじゃないので、全体的には本の重さが軽いところもいい。

その中でもゴールデンウィークに行こうかなと思っていたスペインのことを特集しているときがあったので、早速スペイン編を買ってみた。スペインといっても、これが地域によって全然カラーが異なっていて、十把一絡げでスペインを語ることは本当はいけないということがよくわかった。もともとがスペインがあるイベリア半島は、ポルトガルを入れて5つの王国から分かれていて、それぞれで独特の文化を形成していたところのまま現代に至っているので、北部と南部でも違うし、スペイン中心部と沿岸部でも全然カラーが違うということが分かる。

スペインというと、どうしてもバルセロナとマドリードのことばっかりが書かれている本が多すぎるのもイヤなのだが、このTRANSITは満遍なく全スペインのことを記載している。それも誰かがそこを訪れたときに感じた紀行文という文章ではなく、事実を客観的に述べており、あとは街の様子や風景というのを写真という映像を使って、その写真を見た人が勝手に感じて考えてくれというような手法をしているからである。だから、余計な主観が入ってこないので、写真と補完的に記載されている文章を読めば、その土地に行きたくなったり、行った気になれるのがこのTRANSITだとおもう。

ゴールデンウィークの時にはアンダルシア地方に行こうと思っていた。いざ、アンダルシアに関係する本を探してみると、実はそんなに多くアンダルシアの本が刊行されているわけじゃないことに気づいた。地球の歩き方くらいしかまともに情報が載っていないのであれば、これは現地にいったときに結構大変だと思った。もちろん今ではネットがあるので、紀行ブログやいろいろなサイトを見れば情報がある程度載っているのは分かるのだが、やっぱりそれはその旅行者の主観が入ってくるので、良いものも悪く、悪いものも良いというような表現になっているかもしれないので、その見極めが難しい。TRANSITにもアンダルシアにフォーカスがあたった内容が載っており、これをみて、最初はグラナダくらいしか行かないでおこうと思ったが、セビーリャやコルドバにも行ってみたいと思ったのである。

文化論だけではなく、現在の政治・経済に関する情報も載っている。歴史事実は当然載っているのだが、現実の世界があるのは過去の事象を継承しているからという位置づけだとおもうような書きかたをしている。これによって、スペインがECになかなかな入れなかったことや、EUになってようやくEU加盟国になったのはいいが、東ヨーロッパの国々もEUに加盟したことによって、スペインの名は世界中に知られていても、いつまで経っても経済的には上向きにならず、貧民国になっているということもTRANSITによってわかった。それだけ分かりやすく説明がされている。あんまりガイドブックの中では、史蹟や観光地の情報は載っていても、存在背景について詳細に述べているところは他の雑誌にはない表現の仕方だろうと思う。

なお、TRANSITには過去に「イベリア半島」という特集の本も出ているので、こちらも参照して読むと良いと思う。

TRANSIT(トランジット)22号 美しきスペイン
出版社: 講談社
発売日: 2013/9/6
ページ数: 204ページ

TRANSIT(トランジット)3号 スペイン・ポルトガル特集 美しき太陽、追いかけて
出版社: 講談社
発売日: 2008/12/5
ページ数: 177ページ